第14話「森からの帰還」
シルフ族のフリクシオからの書簡を、グリダニアの双蛇党党舎のボルセル大牙佐に届けたイリア・ハノイは、ミンフィリアからの呼び出しで、一度、砂の家に戻っていた。
タタルに声を掛けると、既に知っていたのか、シルフとグリダニアの件を聞いて安堵したと言う。
「ラムウの方は片付いたようだね。」
アルフィノが委員会からの報告を読みながらつぶやいた。
アルフィノ・ルヴェユール…ルイゾワの孫にして、アリゼーの双子の兄。
イリアがエオルゼアに来た時に同席していた双子だ。
祖父の意思を継ぐべく、エオルゼアで奔走する。アリゼーとは目指すものは同じでも、意見対立し、行動を別にする。
「ええ、完全にというわけではないけど、しばらくは問題無いはずよ」
「それは結構。」
頷くアルフィノ…年下の癖に偉そうである。
流石はおぼっちゃまか。
「例の件は?」
「そちらはサンクレッドが調べいるよ。彼らは個であって、個ではないからね。
バルデシオン委員会からの報告は見届けさせてもらったからね。
それでは失礼するよ。」
アルフィノは踵を返すと、扉に向かった。
「あの話、進めてもいいのね?」
ミンフィリアは心配そうにアルフィノに尋ねる。
「…よしなに。」
階段を降り、扉を開けて奥に進むとミンフィリアの執務室がある。
扉から銀髪の男の子が出てきた。
アルフィノはイリアを見て微笑み、足早に部屋を後にする。
イリアも不思議そうな目で彼を見ていた。
「おかえり!!おつかれさまだったわね!」
ミンフィリアは暖かく出迎えてくれた。
「争いにならなくて、ほんとうに良かったわね。あなたの活躍に感謝します…。」
皆の気持ちを込めて伝えてくれたのだろう。
ほんとうに嬉しそうだ。
「これで、蛮神イフリート、蛮神ラムウはひとまず落ち着いたな」
パパリモがイリアに言う。
「シルフ族と話し合えてよかったよ。次はラノシアだね。」
イダも続けた。
「サハギン族の蛮神リヴァイアサンはここしばらく、呼びかけに応じていないらしい。
サハギン族自体は頻繁に活動してるようだけど。大食らいのリヴァイアサンのことだ、クリスタルの量がたりないんだろう。蛮神ラムウとおなじで、今は、静観してもよさそうだ。」
したり顔でパパリモが言う。
「今は…ね…」
心中穏やかじゃないといった面持ちでヤ・シュトラが言う。
「双方とも、人の手が及ばないんだ、静観してる内に、事を運んだ方がいいって事さ。」
「じゃ、コボルド族の蛮神タイタンは?」
イダが心配そうに問いかけた。
「コボルド族の動向については、現在、リムサ・ロミンサの[黒渦団]が調査を続けているわ。直に報告があるはずよ。それを待ちましょう。」
リムサ・ロミンサ担当のヤ・シュトラが言う。
「エオルゼアで古くは[荒神]とも言われた[蛮神]。現状確認されている中で残るのは…」
親指を口元に当てながら、パパリモは考える。
「グリダニアっ!イクサル族の蛮神[ガルーダ]だけだねっ!」
イダが言い放った。
「こう考えると、やはりエオルゼアは広いわね。みんなに負担をかけずに調査する方法があれば良いのだけど…」
ミンフィリアも考える
「こんな時、彼が居てくれれば、アイデアのひとつくらい、思いつくのでしょうけど…」
脳裏にはシド・ガーロンドの姿が。
壁際て聞いていたビックスとウェッジがヒソヒソはなす。
「シド親方…どこいっちゃったんだろうな」
二人も同じだったようだ。
「ともあれっ!」
ミンフィリアが空気を変えた。
「シルフ領の件は引き続き双蛇党、それに、グリダニアの最高顧問[精霊評議会]が対応に当たってくれるらしいわ。
みんな、おつかれさま。ゆっくりやすんでね。」
それぞれが部屋をでる。
しかし、イリアは残った。
まだ、報告があったからだ。
「あら、どうしたの?」
イリアは、トトラクの千獄で会った、黒ローブの男の話をした。
「黒き衣に赤き仮面の男…?その男は確かに[アシェン・ラハブレア]と名乗ったのね!?」
ミンフィリアの表情が曇りだす。
「そんな…第七霊災まで、表だって活動していなかったのに、なぜ今になって…。」
「グランドカンパニーからの依頼がくるまで、私たちで調査を進めましょう。何だか嫌な予感がするわ…」
ミンフィリアが不安を露わにする。
「ぎにゃ〜〜〜〜!」
タタルの悲鳴がフロアに響き渡った。
「まさかっ!」慌てる二人。
皆もフロアに集まるっ!!
そこには、空飛ぶギザールの野菜が…
「シルフ?」皆が驚く。
「やっと見つけたのでふっち」
護衛のノラクシアだった。
「長ちゃまに、冒険者さんといっしょに[暁の血盟]を手伝えと言われたのでふっち!
頼もしいわたぴをたよるがいいのでふっち!」
小さい身体のくせに、超上から目線である
「まったく驚きすぎなのでふっち。仲良くするのでふっち。」
ノラクシアはタタルに友好を示した。
「…よ、よろしくなのでっす」
暁の血盟に新たな仲間が加わるのだった。
第15話
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