銀髪の男性=サンクレッドです。ウルダハスタートやってない人はわかんないよね。配慮が足りなかった。
このサンクレッドさんはベラボーに強いです。普通にダメージ300代を叩きだしてたかと思います。
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まずは一当てとアトラスが魔物の背中に回り込み、剣を振るった。
「って、硬っ!」
しかし、刃は魔物の体を傷つける事なく、弾き返される。一見柔らかそうに見える魔物の肌だが、よく見ると細かな鱗があり、それが刃を通さない程の強度を誇っていた。
「腹ならどうっ!?」
入れ替わる様に今度はアリシエルが自慢の槍で魔物の腹を突く。しかし、槍先は魔物の体内に侵入する事無く、表面で止まっていた。
「二人とも柔らかい所を探して狙えっ!」
一方、銀髪の男性は素早い動きで、的確に鱗と鱗隙間や比較的柔らかい関節部を狙って、着実に魔物に傷を負わせていた。
魔物も銀髪の男性が一番手ごわいと判断したのか、その鋭い爪を振り下ろして攻撃を集中させる。
(あの男……どれだけ狙いが正確なんだよっ)
技術も動きも完全に銀髪の男性の方がアトラスより上であり、同じ剣術士として内心では面白くなかった。
アトラスも刃が通る部分を攻撃しようとするが、思いのほか魔物の動きが機敏で上手く狙いが付けられない。
「……くそっ!」
「アトラス、後ろ!」
アリシエルの声に反応し、アトラスは後ろへと目をやる。そこには、今、戦闘している魔物よりも一回り小さいが、同型の魔物2体が空を飛び、こちらへ向かっていた。
「俺はデカ物を狙う! そこの小さいやつを任せたぜ!」
「アトラス、行くわよっ!」
「小さい方が強いとか言うオチじゃないだろうな!?」
銀髪の男性は引き続き大きい魔物を担当し、アトラスとアリシエルの二人は増援の小さい魔物に其々立ち向かう。
まずはアトラスが先頭に立ち、助走を付けて一匹の魔物へ剣を振り下ろす。
「おっ、こっちはそんなに硬くねぇな」
魔物の右腕がアトラスの剣によって切り落とされ、地面に落ちた右腕は黒い煙を出して消えて行った。
片腕を失った魔物は怒りに狂い、奇声を上げながら、もう片方の腕を上げ、その鋭利な爪をアトラスへ振り下ろす。しかし、その爪をアトラスは剣を横に構えて受け止める。
「はっ!」
その横から、アリシエルが援護するように螺旋の渦を描く強力な一撃を穿つ。アリシエルが放った一撃は魔物を貫き、その命を抉り取った。
「もう一匹っ!」
気を緩めることなく、二人はもう一匹の魔物に対処する。
アリシエルが攻撃している隙を狙って、その爪を振るう魔物だが、今度はアトラスが死角から懐へ入り込み、剣を振るった。
素早い袈裟斬りから一文字斬りへの二連撃で、魔物の体力を一気に奪う。
怯んだところを狙い、再びアリシエルが強烈な一撃を突き、その命を奪った。
絶命した魔物たちは地に伏せて、その体が黒い煙を出しては、身体が溶けて行き、最後には消えて行った。
「余裕っ!」
アトラスの剣とアリシエルの槍が重なり、勝利の声を上げた。
「お二人さんっ! まだ増援が来るぞ!」
「……はい?」
未だに大型の魔物と対峙している銀髪の男性から、注意が飛ぶ。
見ると、空から先ほど二人が倒したばかりの小型の魔物が空からこちらへと降りて来ている。その数は4体。先ほどの倍である。
「話し合いで解決したくなってきたよ……」
「100ギル上げますから許してくださいって向こうが言ったら許すんだけどな」
「向こうが、なのね」
サンクレッドの愚痴を二人は返しながらも、二人は武器を構える。
「っと……怪我をしたらケアルで回復するから離れないように!」
(ケアルまで使えるのか、あいつ……)
傷を癒す事が出来る魔法ケアル。本来は幻術士が使う魔法なのだが、幻術士としての力があれば、剣術士であっても使う事は出来る。しかし、それは熟練の、才能のある者だけが出来る事である。
「あー、もうやってやらぁ!!」
アトラスはヤケの雄叫びを上げて、魔物達へと翔けていった。
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増援の魔物も、大型の魔物も全て倒しきった時、アトラスとアリシエルは体力を使い果たしていた。怪我こそは無かったものの、素早い動きの魔物を同時に4体。こちらも攻撃を避ける為に神経を尖らせ、常に動いていなければならなかった。
一方、銀髪の男は少し息を乱している程度で、二人とは違い、余裕があった。
「なんであんな涼しい顔を……ん?」
消えかかっている大型魔物の死体の近くに蒼く光る石がアトラスの目についた。
戦闘中、少なくともそんなの物があった覚えはない。魔物の体内から出たものだろうか?
「何かしら、アレ……」
アリシエルも石の存在に気付き、それに近寄る。
すると、蒼い石は誰の手を借りることなくふわりと宙へ浮かびあがった。そして、そのままアトラスとアリシエルの方へゆらゆらと近づいて行く。
「……え?」
蒼い石から光が放たれた。その光のせいか、アトラスとアリシエルの二人の意識は、急に遠くなった。
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