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❖ ビスマルク、あるいはケンの島 — うたかたの術と波間の予兆

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アーモロートのさらに深い海の底に、また新たな遺構が見つかったという。
その探索にあたっては、一帯を包む気泡──
かの妖精「ビスマルク」の力を借りねばならない。

目的地は、レイクランドに浮かぶ「ケンの島」。
水晶公の導きにより辿ったあの島の名を、久しく耳にした。
懐かしさに胸が鳴る。

まずはサレン郷から小舟を使い、向かう予定だったのだけれど──
「せっかくなので、水上歩行術を披露いたしましょう」
意気揚々と名乗りを上げたのは、ウリエンジェだった。

「もう、泳ぐ必要もありません」
「ここから歩いて、ケンの島へと渡ってご覧にいれます」

静かな微笑をたたえながら、彼は真剣そのもの。
我らもその姿勢に圧され、見守ることに。

──結果から言えば。
彼は見事に、途中で術を解いて沈んでいった。

「た、たいへんッ!」
リーンの声が響いたのと同時に、サンクレッドが駆け寄る。
「まったく、言わんこっちゃない……!」

顔を水で濡らしながら、ウリエンジェは項垂れて言う。
「不覚にも……術が……解けてしまいました……」
水妖との交渉までして編み出した術だったらしい。
せめて、誰かが記録に残してあげるべきかもしれない……この一幕を。

「……疲れているんじゃないか?」
ふと、サンクレッドがウリエンジェを気遣うように言った。
けれどその彼も、どうやら泳ぎのあとに軽くめまいがした様子。

「疲れているのは俺かもな……」
その言葉に、ほんの僅か、胸がざわめいた。
些細な不調。されど、いまの我らにとっては、見逃せぬ兆しかもしれない。

けれど──
「まあ、いい余興だったわ」
ヤ・シュトラの一言に、場の空気がやわらぐ。
小舟に揺られ、笑い混じりの空気とともに、私たちは再び旅路へ。

そしてようやく、ビスマルクのもとへと辿り着いた。
巨大なその影が、深海にゆったりと浮かんでいる。
いよいよ、交渉のときだ。
ウリエンジェが、水に濡れたローブの裾を絞りながら、静かに言う。

「ともかく……ビスマルクのもとに着きました。
 さっそく、かの妖精と交渉を始めましょう」

海の底の気配は、静かにして、どこか騒がしい。
──これは、始まりの予感。

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