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【その者の結末】 ―影、かつて名を持ちし者―

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許可証の発行を待つ待合室。
緩やかに静まる空気の中で、私はひとり、座っていた。
まるで世界の外にあるような、その静けさの中――
ふいに、声が差し込んだ。

「……隣、いいかな」

姿を見たとき、不思議と身構える気にはなれなかった。
彼の雰囲気は、あまりにも穏やかで、どこか懐かしくさえあった。

「キミは、外の時間を生きている子だね」
「さては、エメトセルクを追ってきたのかな?」

彼は自らを「ただの影」と称した。
ここにいて、在らざるもの。
この幻影都市に再現された、存在しない存在。

「名を、ヒュトロダエウスという……そう認識している」

と彼は名乗った。

「ほかの影たちは、それに気づいていないみたいだけれど……
大方、エメトセルクがワタシを再現するときに、雑念でも混じったのではないかな。
“ヒュトロダエウスだったら、真実を見抜くだろう”……とかね」

彼は、語る。
自分はただ、友人の記憶が編んだ、飾りのひとつだと。
それでも、彼の言葉には、確かな自我と、温かさが宿っていた。

「ふいに湧いた泡のように、不確かで脆いものさ。
だから、キミが気を張る必要もない。
待っている間だけ、ただ、ご一緒させておくれ」

……ほんのひととき、私はこの都市の静けさと、彼の語りに身を委ねる。
それは、亡き友を思い、残された誰かが夢の中で語りかけるような、
時を超えた優しさだった。

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