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光の戦士の小隊の話8 後編

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「モナコさんお帰りなさいニャー!」

何だこの可愛い人形は。
猫耳?をつけた人形の後からわらわらと似たような人形が出てくる出てくる。

「お帰りなさい!」
「おぅ、お帰りィ!」
「お帰りでーす!」

そんな魔法人形相手ににこにこと挨拶するうちの隊長。

「放牧の様子はどう?あぁ、それなら大丈夫だね!作物は?…じゃぁ水遣りお願い、これスクリップね!」

何やら細々した指示を与えたのち、

「ってな訳で後は皆に任せた!何かあったら連絡してね!あそこでのんびりしてるからさ」

言いながら建物が点在する、今いる場所の上の方を指差す。

「はーい、皆様ごゆっくりニャー!」

俺達はやいのやいのとかまってくれる魔法人形達に挨拶し、モナコの車に乗り込む。

「皆のったね?よし、いこう!」

シドさんの工房製と言うが、この車体を空に浮かせて移動させるとか、相変わらず異次元の技術を使ってやがる。

「はい到着!」

1-2分で頂上のツリーハウス前に車を着ける。
ここにも魔法人形達がいて歓迎してくれたが、モナコは「構わなくて大丈夫だよ」と声をかけ、あとは俺達だけで適当にやると説明した。

早速各自過ごしやすい服装に着替え、パラソルの張ってあるビーチチェアに寝そべる。
目の前は崖になっており、先程来島した際に降りた浜辺が下方にみえた。

「最高じゃねぇか…」

俺はサングラスをかけ、ビール片手につぶやいた。

「でしょ??」

既に水着に着替えた光の戦士が、同じ様に寝転がりながら答える。

「ずりぃな隊長、こんな良いとこ独り占めしてよ〜」

ザンサルが口を尖らすが、

「ふふ、ここまで開拓するのにどれ程の苦労と時間がかかったか…ザンサル君、分かるかな??」

かなりドスの聞いた声だ。

「あ、あー!ピザが焼けて焦げそうな気配がするから見てくるかなー!?!」

慌てて逃げるザンサル。

「はっ!1番ピザは譲らないっ!」

追いかけるシュムザ。

2人がピザ釜に移動してから、暫く何も言わず空と海を眺めながらビールをちびちび飲む。

「最高じゃねぇか…」

「だよねぇ…ずっとここに居たいわ…」

『はぁ〜〜〜』

モナコと2人、深い溜め息を吐く。
お互い戦いのレイヤーは違うものの、ストレスの溜まり具合は似たようなものなのだろう。

「でもこーゆー時に限って鳴るんだよリンクパールが…」

「やめろ!フラグを立てるな!」

俺は慌てて叫ぶが…
1秒…2秒…5秒…1分。
リンクパールは鳴らなかった。

『鳴らないっ!!』

俺達はビーチチェアから半身を起こし、右手と左手でバシっと手を握る。
ぶんぶんと握手をかわしたのち、

「やったやったよ、鳴らないよルイン!」

「あぁ、やったな!俺達の日頃の努力は、労苦は無駄では無かったんだ!」

「乾杯しよう、ルイン!」

「おうよ!」

俺達のグラスが小気味良い音を立てた刹那、

「ファンファンファン」



「ファンファンファン」

……

「ファンファンファン」

よく聞くあの音だ。
モナコは全く表情の無い顔でグラスを置くと、指を耳にあて応えはじめた。

「はいモナコ…はい…はいはい…はい…はい…はいよ」

無表情のまま口だけが動く。

「何かでかいモンスターがトラル大陸方面からこっちに飛んで来てるんだってー」

「へぇーそうなのかー」

「トライヨラの武王が『わりぃ、しくじった!あと頼む!』って言ってきたんだってー」

「へぇーそうなのかー」

「そのでかいモンスター、飛行経路を予測するともうすぐここの上空通過するんだってー」

「へぇーそうなのかー」

暫くお互い無言になる。
1秒…2秒…5秒…1分。

「ふ、ふふ…」

肩を震わせ俯きながら笑う光の戦士。

「ふふふ…滅してやる!!!」

言うなりバッと立ち上がり、背後のツリーハウス奥に駆け込んで行く。

「おーい、俺達はどーすりゃいいんだー?」

流石に隊長1人働かすのは気が引ける。

「全員待機!ここは私だけでやる!」

「りょーかい!」

何だかんだこういう時はちゃんと隊長らしく指示するんだよな。

何事かと様子を見に来たザンサル、ザンサルの手にあるピザを狙うシュムザが俺に聞いてくるが、

「俺達は何もする必要はない。今回はモナコ1人で片付けるそうだ」

言うやいなや、早速着替えたモナコが後ろから現れる。
その出立ちは赤い鍔広の帽子に眼帯と、まるで海賊の親玉だ。

「な、どうしたその格好は?!」

モナコはふふふと笑いながら、

「いざと言う時の衣装だよ!」

と半ばヤケクソに返答する。

「ルインから聞いてると思うけど、今回私1人でやるから皆は待機、と言うかそのまままったり!」

ザンサルは「お、いいのか!?流石隊長!」とビールをグビグビ飲み、「もひゃっひゃ」と答えるシュムザはピザをもしゃもしゃしている。
…俺が言うのも何だが、大丈夫かこいつら。

「ほら、ルインも余計な気を使ってないで、リラックスして!じゃ行ってくる!」

颯爽とチョコボに跨り島の頂上付近に飛んでいく。
そこまで言われたらと、俺もジョッキを手に取り再度寝転がる。
が、何となく気になるので、あいつが飛んでいった方向を見ている。
…何だあの黒い点は?と思うとその点が直ぐに大きくなる。
あれは…巨大な鳥か?!

「いやいや、あの大きさはマズイだろ!」

俺は慌てて自分の武器になるようなものを探しに行こうとすると、

「大丈夫だルイン、あの鳥帰っていくぞ」

ザンサルの声に振り向くと、さっきまで真っ直ぐこの島に向かっていた巨鳥は元来た方向に帰って行く。

それと共にモナコもチョコボに乗って戻ってきた。

「お、おい、あのでかい鳥は…」

「物分かりいいこでさ、『元いた場所に帰れ。二度と暴れるな』って言ったら頷きながら帰ってくれたよ!いや〜楽な仕事でよかったよかった!」

「そういうものなのか…」

「そうそう、まぁもし暴れたら今度こそトライヨラの武王が何とかするでしょ!」

そう言ってまた着替えに向かうモナコ。

「ほら、そうと分かればバカンスバカンス!存分に楽しもうではないか!!」

ニコニコ笑顔で言うあいつに、俺達は『おぉ〜!』とグラスを掲げるのだった。

----------------後日。

俺とモナコ、ザンサル、シュムザはそれ以外の小隊メンバーと、カフェの店員に取り囲まれていた。

「ずるい!」
「流石に引きますよ主」
「何で…私達を誘ってくれなかったのです…」

モナコは「あー、うー、いやー」と汗をかいていたが、

「分かった!あーもー分かった!皆で行こう、ね??」

更に特別休暇を全員分申請し、臨時休暇の看板を出していた。
…リンクパール?勿論鳴ったけどな!!
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