ツインタニアから吐出された輪の形をした炎により、ミリィの周りに突然炎の壁が現れた
「ミリィ!」
名前を呼ぶよりも早くワラビィがミリィのもとに駆け寄ったが、本人の意思とは違い、ワラビィの体は後方へ吹き飛んだ。
「ワラビィ、きちゃダメだよ」
ミリィはそういうと優しく微笑んだ
「え?え?」
吹き飛ばされた上に、体が動かない。
ワラビィは困惑した。
白魔道士の魔法の一つ、一定時間のスタン効果と後方への吹き飛ばし効果をもつ「アクアオーラ」をミリィはワラビィに使用したのだった。
一定時間内にこの炎の壁を壊さないければ、灼熱の業火に包まれるツインタニアの攻撃の一つであることは報告書に記載されていた。
竜騎士のスピードを活かし、ブランドとシタールがすでにこの炎の壁を攻撃し始めていた。
ストーム内の温度が徐々に高まっていっているようでミリィの顔が苦痛にゆがむ。
アクアオーラの拘束を解かれたワラビィも、サブタンクとしての持ち場を離れミリィを包む炎の壁をコルタナ・ゼニスで叩き割るべく攻撃を繰り返した
「なんだよ!なんなんだよこれ!」
喚き叫ぶような声を出しながらのワラビィの必死の攻撃は、すでに剣術もなにもあったものではなく、ただひたすらに棒で殴っているかのようだった。
必死に攻撃する3人だったがストーム内の温度上昇がミリィの体を焼き始めている
ピタゴラ、ドフィも加わり攻撃を繰り返すが、炎の壁が壊れる様子はなかった。
次の瞬間
ミリィを守るストンスキンが剥がれ、炎の竜巻が上空まで巻き起こり、強烈な熱風があたりを包んだ。
一瞬の静寂があたりを包む。
熱風が去った後、炎の壁があった場所には、まるでクルザスに振り注ぐ粉雪のような白いエーテルが、舞い散るのみであり
それ以外には何も残っていなかった。
「あ、ああ・・・ああ・・・」
声にならない声をで嗚咽を漏らしたワラビィの目には涙を浮が浮かんでいた。眼の焦点があっていない。
「ふ、ふざけるな・・・」
「お前、お前・・・」
「なんだよ!お前は自らの体で戦いすらしないのか!」
そう叫ぶと同時に、ツインタニアに向かって剣を振り上げ走りだしたが、その瞬間、大きな衝撃と共に、ワラビィの体が横に吹き飛んだ。
「冷静になれ、お前も死ぬぞ」
ルドルフがワラビィの横っ面を思い切り殴り飛ばしたのだった。
学者といえどもルガディンであるルドルフ。
冷静さを欠いたミコッテ族のナイトを吹き飛ばすくらい造作もないことだった。
「盾役であるお前が、皆を守らねば、誰が守るんだ」
そういうとルドルフはメインタンクのスラッシュをみた。
ツインタニアの攻撃を一身に受け耐えている。
「ヤツも俺達を相手に必死になってるんだ」
「でなければ、あんな攻撃はしないだろう」
そういうと、サラサラと学術書に記載を始め、鼓舞激励の策をワラビィに掛けた。
「冷静になれ」
そういうルドルフの手は、怒りで震えていた。