こんにちは。Biskaです。
地下に広がる人工の空。
慌ただしく行き交うグリーナーたち。
そして、静かに進む「大整理」。
目に見える混乱は小さい。
けれど、水面下では確実に何かが動いている。
その一端に、触れました。
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クルルは声を潜めて言った。
依頼の全容を知りたい。
依頼者も、目的も。
その視線は、逃げ出したマーモットの件へ向いている。
捕獲を手伝えば、口を開いてくれるかもしれない。
私は動物専門のグリーナー、
エレンヴィルのもとへ向かった。
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逃げ出したのは、ナグサ地方から連れてきた
「シモフリネズミ」。
麻袋を受け取り、東の森へ入る。
ラヴィリンソスの自然は再現されたものだ。
だが、息づく命は確かに本物に近い。
湿った土の匂い。
木立の奥で響く小さな鳴き声。
四匹すべてを無事に保護した。
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礼を述べたエレンヴィルは、今回の依頼について語った。
大整理は哲学者議会の主導。
内容は――
食用実績があり、繁殖させやすい獣を複数種搬入せよ。
用途は知らされていない。
そして決定は、終末宣言の四日後。
突発ではない。
計画は以前から練られていた可能性が高い。
運ぶのは動物。
だが、備えているのはそれだけではない。
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皆と合流し、情報を照合する。
・議会主導の大整理
・終末宣言直後の招集
・前例を超える規模
・目的は現場に共有されていない
ヤ・シュトラは静かに言う。
実行の機を待っていたのだろう、と。
沈黙が落ちる。
そのとき、クルルが足を止めた。
視線の先には、小さな花。
人工の空の下で咲く、鮮やかな一輪。
彼女はしばらくそれを見つめ、
やがて小さく息を吐いた。
「行きましょう」
声はいつもどおり穏やかだった。
だがほんの一瞬、
言葉にならない何かがそこにあった。
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次の目的地は
アルケイオン保管院。
知識を集積し続けてきた都市の、もうひとつの心臓部。
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書き留めておきたいこと
・大整理は哲学者議会主導で実施されている
・終末宣言の4日後にグリーナーが招集された
・整理は本来の周期を無視した前例超えの規模
・数年前にも整理を行っているという不自然さ
・食用実績があり繁殖しやすい獣の搬入指示
・目的は現場に共有されていない
・計画は以前から準備されていた可能性が高い
・ラヴィリンソスは現在も拡張中
・クルルが花を見つめて立ち止まった(理由不明)