二次創作エピソードです。
一部、ChatGPTを使用しています。
↓主人公の基本設定はこちらです。
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/30253559/blog/5654272/
SSはイメージです。
【ラミークラフターダブレット】
worn by
エレナ・ウィンフォーディア
【ラミーシャツ】
worn by
ルミアレリナ・フィンネス
【レオンハート・ジャケット】
worn by
カラディア・ハーウッド
◆ アトリエ・ウィンフォーディア(後編)◆ 扉のベルが鳴った。
「ちょっとエレナ、頼んでた衣装――……あら」
明るく張りのある声が店内に差し込み、その主は言葉の途中で足を止めた。入口に立つカラディアは、視線の先にいる銀髪の英雄を見て、わずかに目を細める。
「……あんたも来てたの」
ルミアレリナは振り返り、静かに答えた。
「服を取りに来た」
「見ればわかるわよ」
カラディアは肩で息をつき、両手で髪を軽くまとめる。その仕草ひとつで空気がわずかに華やぐ。
ルミアレリナはその様子を観察して、淡々と言う。
「その服、似合ってる」
「……うん、知ってるけど」
「目立つ。カラディアは目立つ方がいい」
一拍の沈黙。
カラディアはわずかに眉を寄せた。
「……それ、褒め言葉で言ってんの?」
「うん」
カラディアは何か言い返そうとして、言葉を探すように口を開き――結局、ため息をついた。
「ほんと、調子狂うわね、あんた」
そのやり取りを見ていたエレナが、ふわりと微笑む。
「あらあら、仲良しねえ」
「うん」
「違う!」
同時の返答。
声の重なり方まで揃っていることに、エレナは楽しそうに目を細めた。
「じゃあ、お揃いのお洋服とかどう?このラミーシャツをお揃いに仕立てようかしら?」
「じゃあって何よ。仲良くないって言ってるでしょ。絶対嫌よ!」
「同じ機能なら問題ない」
「問題しかないわよ!」
「そう?」
「そうなの!」
エレナは少し考えるように首を傾げた。
「じゃあ、色違いならいいかしら?」
「そういう問題じゃないのよ!」
カラディアの声が一段大きくなる。
ルミアレリナは静かに首を傾げた。
「このシャツも似合うと思う」
「着ないわよ!」
「カルは、ミアの前だと気難しくなるのねえ。普段はもっと気立てが良くて、周りの評判もいいのに」
エレナは、カラディアをカルと呼んでいた。
ルミアレリナが、それを聞いて食いついた。
「カル?いい呼び名だね。私もそう呼んでいい?」
「だめ」
「なんで?そっちは私をミアって呼ぶくせに」
「あんたの名前は早口言葉みたいで言いにくいのよ。嫌なら改名しなさいよ」
「嫌じゃないから改名しない」
「とにかくだめ」
邪件にされたルミアレリナが、悲しげに顔を伏せる。
それを見たカラディアは、数秒黙っていたが、見かねたように、溜息交じりに言葉を発する。
「はぁ……あんた、ウルダハの女王の政敵を奇策で失脚させたこともあるんでしょ?そんなに頭も腕もよく回るのに、私にちょっと冷たくされたくらいのことで、なんで子供みたいに泣きそうになってるわけ?……もう、いいわよ、あんたもカルって呼びなさいよ」
顔を上げたルミアレリナの表情が、ぱっと明るくなる。
カラディアは、困ったように呟く。
「ほんと、調子狂う……」
エレナは、二人のやり取りを、嬉しそうに見守っていた。
エレナは、ルミアレリナが黒衣森で賢者に育てられていた頃、肉親のように甘えたり頼ったりできる相手が周りにいなかったことを知っていた。
カラディアは、常に周りから特別視されていたルミアレリナにとって、ライバルであると同時に、初めて同じ目線で言葉を交わすことができる、仲間だった。
店の外では、いつの間にか人だかりができていた。
「カラディアだ……」
「いや、あれルミアレリナじゃないか?」
「なんで二人一緒に……?」
窓越しに覗き込む人々の視線が増えていく。
人々は顔を見合わせた。
「……仲いいのか?」
「いや、どう見ても違うだろ……」
「でもなんとなく、楽しそうだぞ……」
店の中では、三人の会話が続いていた。
「お揃いにするなら、カルに合わせてサイズも少し調整しないとねえ」
「だから着ないって言ってるでしょ……いや、服が気に入らないんじゃなくて、ミアと同じのを着るのがね――」
「体型が崩れて見えないように、ウエストラインをしっかり合わせないとねえ。まったく、あなた達みたいにド天然でナイススタイルが出来てるのが羨ましいわ」
「ちょっと、人の話聞いてる?っていうか、今、『あなた達』って言った?今、この無自覚マイペース英雄と一括りにされた?私がこの体を作って維持するのにどれだけ努力してるか……まあ、その話はいいけど……」
「へぇ、カルは努力してるのね。うんうん、いいわね。ミアも見習ってね。私も努力しなきゃね。あなた達よりちょっとだけ年齢がお姉さんだから、いろいろとね。まあ、あんまりたいして変わらないんだけどね。でも、ちょっとだけね。うんうん」
ルミアレリナが、真っすぐに言葉を発する。
「エレナって、何歳なの?」
「うんうん、ミアはそういうことをずけずけと訊ける子なのよね。うんうん、いいのよ。でも、あんまり訊かないようにね。黒衣森の賢者にいろいろ教わったみたいだけど、でも、一般常識的なことはちょっとあれなのよね、うんうん。大丈夫よ、私が教えてあげるから――」
そのときだった。
通りの方から荒い怒声が響く。
何かがぶつかる音。空気がわずかに張り詰める。
エレナは窓の方をちらりと見て、小さく息をついた。
「あらあら、またお店の前で揉め事……面倒ねえ」
そう言って、ミアとカルへ視線を戻す。
「ちょっと行ってくるわねえ」
エレナは外へ出ていった。
残された二人は、特に反応を示さず、見送った。
「で」
カラディアが腕を組む。
「あんたさ、気配消しすぎなのよ。この店に入る前も、あんたがいるような空気、全然なかったし」
「でも、洞窟で私を尾行したことあったよね」
「そうそう、あのときも大変だったのよ。見失っちゃいけないし、こっちの気配も消さなきゃいけないし……って、そういう問題じゃないのよ。日常では、ちょっとは英雄らしくすれば?って言ってんの」
そのとき、外の様子を見ていた男が、たまらず店内に顔を出した。
「あ、あの人、エレナさんって言ったっけ……あの人、大丈夫なのか!?」
ルミアレリナは視線も動かさず答える。
「大丈夫」
カラディアも続ける。
「問題ないわよ」
迷いのない即答だった。
男は言葉を失う。
次の瞬間――
ドンッ、と鈍い衝撃音が外から響いた。
店内の空気が一瞬だけ止まる。
「……!」
男が目を見開く。
だが、
「英雄らしくしないとまずいの?」
ルミアレリナは、変わらぬ様子で口を開いた。
「周りが困るのよ。グランドカンパニーの任務報告の件で連絡しようとしたとき、あんた自分の仕事だけ終えて、違和感なく下級兵に交じってさっさと帰ってたよね。誰も姿を見てないっていうから執務室にでも籠ってんのかと思って探しまくっても、どこにもいないって、大甲士が困ってたわよ」
カラディアも当然のように言葉を続け、何事もなかったかのように会話が再開される。
男は呆然と立ち尽くした。
やがて、扉が開く。
「うんうん、終わったわ」
エレナが戻ってきた。
いつも通りの穏やかな表情。少しだけ髪が乱れて揺れていたが、特に大きく変わった様子はない。
「お待たせ」
「別に待ってないわよ」
店内に残っていた男は、状況を理解できず、ただ二人とエレナを交互に見ている。
「この無自覚マイペースの相手すんのも疲れたし、ちょうどよかったわ」
カラディアは踵を返した。
「じゃあね、エレナ。今日はなんだか騒がしかったし、頼んでた衣装は、日を改めてまた取りに来るわ」
「うんうん、またねえ」
カラディアはそのまま外へ出る。
扉が閉まり、わずかな静寂。
◇
通りには、先ほどの騒ぎの名残があった。
地面に倒れた男たち。焦げた跡。ざわめく人々。
カラディアはその光景を一瞥し、目を細める。
店内のエレナの方へ、窓越しに軽く視線を送り、
「やりすぎると、いろんなところから目を付けられるわよ」
よく通る声でそう言い残し、そのまま歩き去った。
軽やかな足取りは、すぐに人波の中へ溶けていく。
少し経って、ルミアレリナとエレナも店の外へ出てきた。
ルミアレリナは周囲を一度見渡す。
そして何気ない動作でリンクシェルに触れた。
「港通り、衣装店前。騒動は鎮圧済み。対象複数、戦闘不能。一般人の被害なし。現場保全済み。身柄の回収と処理を要請する」
エレナには関りがないような形で、連絡を行った。
「ありがとうねえ。助かるわ」
そして、思い出したように言う。
「あ、お肌のオイルと日焼け止め、忘れないようにねえ」
ルミアレリナは一瞬だけ間を置き、
「覚えてる」
と答えた。
エレナは満足そうに頷く。
「うんうん、日焼け止めをさぼらないように」
ルミアレリナはそのまま歩き出した。
何事もなかったかのような足取りで、港の喧騒の中へと消えていく。
後に残された人々は、ただ呆然としていた。
「……なんだったんだ、今の」
「英雄ってあんな感じなのか……?」
「いや、絶対違うだろ……」
ざわめきの中、エレナは空を見上げる。
「うんうん、今日はいい天気ねえ」
そう言って、何事もなかったかのように店へ戻っていった。
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もっと盛り込みたい話があったのですが、前後編に収まりませんでした。
3部構成にするべきでした。