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漆黒まで終えた昔一度折れたヒューランの話

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PS4を買ってすぐのころ。

2016年に一度、私はエオルゼアに降り立った。
けれどその時は結局、エオルゼアになじむことはできなかった。

巴術士、レベル5.
それが、その時の私の最後の記録だった。


3年が過ぎた。
私は今、剣術士で旅を始め、無事にナイトで漆黒を超えた。

剣術士で始めた、と言った時の、FCに誘ってくださった方含め各方面の反応は散々なものだった。

如何せん、こう考えたのだ。


剣と盾があればいけるやろ。


だが私はすっかり忘れていた。
モンハンで片手剣と言えば玄人であり、ランサーとガンランサーは上手い人という認識だったはずの自分が居たのに、何故。
何故剣と盾を持っているんだこのキャラクターは。

そんなこんなで始めたエオルゼアの旅。

新生を終えたとき、蒼天を超えたとき、紅蓮を迎えたとき、そして漆黒に挑んだ時。

私は常にVCの中で、FCの面々と一緒にいた。
漆黒のラストを迎えるまでの3ヵ月、私は常にナイトをさせていただいた。



そうして分かったのは、文字を使うことより、話をした方が絶対に、この世界のことはずっと共有しやすいということだ。

10数年以上、文章を書くことが自分が持ちうる最大限の表現方法だと信じて生きてきた人間にとって、衝撃的な3ヵ月だった。

喋った方がいいと思ったことなんて、生まれて初めてだった。

言葉が怖かった。
話すことが恐ろしかった。
最初のそのうちは、チャットならいけるかな、と思った。

でも、ここでは現実と同じように、あるいはそれ以上に、加速度的に周囲からの期待に巻き込まれ否応なしに光の戦士として走ることを余儀なくされる。
その衝動を、感情を、疑問を、一つずつ文字で打つのが生まれて初めて『もどかしい』と感じた。

一枚の写真と、言葉を発して、誰かに伝えた方が、よっぽど早いのだ。

本当はこの衝撃は、現実世界で感じるはずだった。
けれど私はようやくここにきて、書き言葉を人が読み、理解し、考えてもらうことの大変さと労力の大きさを実感してしまった。
黙っているだけで伝わらない、それは至極当たり前なのだと、酷いくらいはっきりと突き付けられた。


それから、少しずつ、自分の固定観念が変わってきた。


ひとまず家族に対し、自分の今を話せるようになった。
メールで打つには、言葉と本当と現状が、あまりに乖離していると感じたからだ。

仕事のこと、体調のこと、不安なこと、まだ分からないこと。

それはたぶん、酷く遅く、そして、タイムリミットに近いことばかりだったのかもしれない。
現に、かもしれない、と付け加えて書けた自分に驚いている。
前の自分なら、断定していた。

「きっとこうだ、絶対そうだ、間違いない」
「だって世界はきっと、そう言うふうに考える人や人間ばかりのはずだ」

そればかりでできた、頭の中の現実で生きていた人間にとって、話してみてみなければ分からないことの方が多いのだと、当たり前のようにもう一度見せてくれた。



最近は侍もやって、漁師と調理師にも手を出し始めた。
分からないことだらけだし、まだまだ行ってないIDだらけ、手を付けていないジョブもクラスも盛りだくさんだ。



「ここにくるのは初めてです」
「よろしくお願いします!」


そう言いながら、ひとまず今日も私は走るのである。
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