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【第一世界RPイベントリプレイ】七罪:「傲慢」⑥

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当記事は、RPイベントのセッションを元に、
ストーリー風に物語を書き起こしたリプレイ兼、RPストーリーです。
苦手な方はご注意ください!
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/12662472/blog/4686470/


参加者
■参加者様:Girouettaut Laurent(ヒュルベルト)T'latte Tia(三つ凪の子),Taniha Molkoh(カノ)

また、ver5.xシリーズのストーリー内容を含みますので、5.xパッチの上のストーリーが未プレイの場合はネタバレの可能性がございます、ご注意願います。























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ラダー大昇降機のリフトの使い、絶壁を超えた我々は、ドヴェルガル山脈に連なるスクリー山地を望む。

アミティーはそこから東だった筈。
リフトを昇る前から吹き始めていた風は、標高の高さもあってか、いよいよ以て激しくなった。
「…これだけ風が強いのは…、…何か影響が出ているのでしょうか」
「……」
酷く、風が私の角を震わせた。
それだけではない、張り詰めた”何か”が、私にも感じられた。

それは、角だけでなく、見えない筈の左目に僅かに刺すような痛みとして感じられた。
ヒュルベルトが吹き荒れた砂塵に目を擦る。
「砂埃がひどいね」と、私は彼に言った。
「いつもこんなことないんだけど」以前にもここに来た事があるのだろうか、ヒュルベルトはそんなことを言った。
「 ……嫌な臭いがするな」
ヒュルベルトと私の様子を見て、カノも呟いた。
ふふ、やはり彼女も”カン”がいいようだな。

と――
「 今っ」
ヒュルベルトが、突然何かに気付いたように走りだした。

「あ、ヒュルベルト!」
ミツナギも彼を追いかける。

と、ヒュルベルトが何かを見つけて立ち止まり、そして指さした。

ヒュルベルトが指さしたのは――主を失い、暴走しているターロスの成れの果てだった。
「…壊れたタロース、ですかね…マリカの大井戸付近にもいた」
昨今はコレを回収して復興事業用に修理活用しているそうだが、長年放置された人形たちの多くは、今もこの地をさ迷い歩いていた。

「あいつ、痛いから」
ヒュルベルトが言った。
(……ああ)

先ほどリフトでした話を思い返す。

「ふふ。痛くないようにしてくれたんだな、ありがとう」
カノが微笑を浮べてヒュルベルトに言った。

「なるほど噂の罪喰いでも出たのかと思ったが……ありがとう、ヒュルベルト」
私も礼を述べた。
痛いのが好きなのは、ユル=ケンくらいだ。
尤も、彼が好きなのは他人が痛い目を見るところだが、ふふ。


ヒュルベルトは、ターロスの動きをじっと見ると、背を向けた瞬間に走りだして私たちを手招きした。
我々は、ヒュルベルトに招かれるように、アミティーに向かった。


その道中。

ひときわ強い風が吹くと、天を覆う雲が割れて、北の方角に巨大な影が現れた。

(あれは……)

「……大きな光の輪が」
ミツナギが呆然とする。

まだ残る、砂塵の向こうにあってもハッキリと見える、巨大な光輪。
それは天空に浮上する山をぐるりと囲み、さながら神の住まう天界の居城である。

それはまさに神話の光景だった。

「前はあれは地面にあったんだ」
ヒュルベルトがぼそり、といった。

――アレこそがグルグ火山。
罪喰いたちの神によって浮上せし”最後の楽園”だった。


そういえば、以前書物で読んだことがある。
光耀教の神も、極北の彼方、天の極光に座すという。
それを模したのだろうか?

それはわからなかったが、ドン・ヴァウスリーは神の如く、数多の罪喰いと共にあそこに鎮座したのだ。


しかし、その偽りの神と楽園に、ヒトは力を携えて、抗った。
浮上した山。
そのすぐ傍には、それを引きずり下ろすかのように、両腕で掴みかかる大岩の巨人の姿があった。


「……タロース」
ヒュルベルトが呟く。

そういえば私も耳にした事がある。
かの闇の戦士が、最後の大罪喰いを倒すために、ノルヴラント中から人を集めていたと。

「……よくわかんないけど、アミティの人が詳しい。俺は見てないからしらないけど、山よりでかいタロースって騒いでた」

その結果、というわけか。

「確かに、山よりうんとでかいな……ふむ。では、あれは闇の戦士の遺産か?……ではあの光は……」

カノが、ターロスと光輪を見比べるように言った。

山を囲む光の環は、先ほどよりも明るさを増しているように見えた。

いるのだろうか、やはり、あそこに。

「先ずはアミティで情報を……」
私は皆に言った。
アミティの住人ならば、山が浮かぶところも、あのターロスがそれを掴むところも見ているだろうし、今回の≪傲慢≫についても、目撃者がいる。



東に進見続けると、崖から少し距離を取ったところに、僅かな畑と木造りの家が集まった村落があった。
アミティーだ。

私は、目撃者がいるという酒場を探した。
村の中央広場の一角にそれはあり、仲間達に少し待つように伝えると私は店に入った。

店に入る前、後ろを振り返ると、カノが、身軽に村を囲む柵木に飛び乗って、辺りを見回していた。
ヒュルベルトも同じように柵を登ろうとしたが……ずり落ちていた。
それを見たミツナギが慌ててかけよる。

ふふ、英雄を目指す、か。

私は少し口を緩ませると、扉を開けて酒場に入った。


店の奥に、その男性は居た。
酷く酒に酔っている様子だった。
近くにいたドランの女性に話を聞くと、普段から陽気に旅人に酒を勧めているが、最近恐ろしいものを見たとのことで、いつも以上に飲んでいるらしい、との事だった。

「アンタも飲めって」
しきりに進めてくる酒を遠慮しつつも、私は話を聞いた。

「罪喰いも大分数が減ったんで……その時は……トメラの村との交易に出ていたんだ」
多少呂律が回っていなかったが、男性は”そのはぐれ罪喰い”を見た時の事を話し始めてくれた。

「その帰りだ、突然……まるで山が鳴って……」
「山が鳴る、ですか」
気付くと、ミツナギも店に入って来ていた。

ヒュルベルトたちは、と思い、外の様子を伺うと、カノは周囲を見張る様に立ち、ヒュルベルトはボーっと山を見ていた。

「……そしたらよ、北から風が吹いたんだ、そしたら獣みたいな罪喰いが先ず現れて……慌てて隠れようとしたら、俺の頭の上を覆い隠すぐらいの罪喰いが空を飛んでた! そして……あの山に……ヴァウスリーの山に向って行った」

男性は少し震えた声で言った、余程怖かったのだろう。

「最初は、ドン・ヴァウスリーが蘇ったのかと思った。 だけど、罪喰いたちを率いてたのは、八枚の羽根を持つ……女の形をした罪喰いだった」

男性は言った。
私は手配書を眺める。

……嗚呼。

間違いなく≪傲慢≫の罪喰いの特徴と一致していた。

「……、…一度山を見に行く必要がありそう…ですよね」
ミツナギが言った。

と。


 ――ごう。

店の外に、風が吹いた。

北から吹いた風、今まさに聞いた通りの。

「場所は何処で?」
私は胸騒ぎを感じて、男性に尋ねた。
「ああ、あと、もうちょっとで村に着くって所だ、場所は――」
私は男性に大体の場所を確認する、居ても立っても居られず、店の外に出た。

外は、強い風と砂塵が再び舞い上がっていた。
ヒュルベルトが目を擦る。
「…………こら、擦るな。目が傷つくぞ」

と、カノがそれを窘めた――が、彼女は突然、何かを感じたように、ぴくりと先を揺らした。


――グォーン。


山が、鳴った。


と、同時に私の左目に刺すような痛みが走った。

ああ、これは――!

「あは」

私は破顔したのだろう。自分でもわかる。

「シドゥルファスさん!?」
と、ミツナギが言う前に、私は駆けだしていた。

「……埃っぽい…シドゥルファス?」
「ちょっと行ってくる!」


私は駆けた。


「あれは……!」

そして、予感が当たったことを確信した。

居た。

白い巨躯に、翼を生やした獣の様な罪喰い。
酒場の男性が語ってくれた、最初に現れた罪喰いの姿そのままだった。

その罪喰いは、アミティーを遠目にじいっと見ていた、しかし。

「ッ!」
物陰から様子を伺っていた私に気付くと、すぐさま飛び掛かって来た。
私はその突進を除け、逆にその背に飛び乗る。

短刀を背に突き立てると、罪喰いが吠えた。

「シドゥルファスさん!」
ミツナギらが私に追いつく。
「あれ、やっつければいい?」
ヒュルベルトが腰の刀剣に手を伸ばす。

と、罪喰いは翼を広げ、空に舞おうとする。
そして、そのまま北の山に向かう――。
「うっ!?」
私毎、罪喰いの巣に向うつもりか。

「…………追いましょう、シドゥルファスさんを助けないと」
「……ふん!巣に餌でも運ぶつもりか……」
飛び去ろうとする罪喰いに、ミツナギとカノが、術を仕掛けようとする。
「くっ……!」
私も再度短刀を、罪喰いの背に突き立てようとした。

だが――。

「!!」
罪喰いがもう一度吠える。

「なに!?」


すると、突風が私の身体を包んだ。
「あ」
ヒュルベルトが声をあげた。
そのまま私は突風に煽られ、宙を舞うようにして、罪喰いから振り落とされた。
地面を転がり、受け身を何とか取ったが、強か体を打ち付けた。
「シドゥルファス食われた?」
私の姿が見えなくなった為か、ヒュルベルトがそんなことを言ったのがかすかに聞こえた。
すぐにカノが私が振り落とされたことに気付いて、治癒魔法をかけてくれた。
「待っていろ、いま……!」
幸い大事はなく、少し休むと、あっという間に痛みも退いた。

「すまないね……危ない所だったよ」
私は己の迂闊さを皆に詫びた。

ただのはぐれ罪喰いでは無かった。
あの個体も、それなりに強力な力を持っているようだった。
「シドゥルファスさんを振り落として山の方に戻ったようにも見えました。 今のが七罪…?…いや、でも…」
ミツナギが考え込む。
「いや、目撃情報のあった八枚羽じゃなかった……」
「獅子だった。でかいやつだ」
ヒュルベルトが言った。

「頭でないなら、手足だろう。山の方に飛ぼうとした」
カノが言う。


手足、か。

≪傲慢≫。
その名の由来は、まるで大罪喰いのように、罪喰いを従えるから、だそうだ。
目撃情報が確かならば、ああいった”手足”を幾つも従えているのだろう。



アレは単なる偵察――恐らく、敵は大群、か。
負けるつもりはない、が、私は口の乾きを覚えた。
そんな私の方をヒュルベルトは何やらじっと見ていた。
「……?」
彼も、何か思う所があるのだろうか? すると彼は、何か閃いたのか、ぱあっと表情を変えて
「おっかけたら、やっつけれる」と、いつもの様子であっけらかんに言った。

その言葉聞いたカノが愉快そうに笑った。

おやおや、大した自信だ。

ふふ、そうだね、私らしくもない。
倒せばいいのだ、追いかけて、奴らを一つ残らず。

『喰われても面白かったのにな、ぎゃはははは』

ユル=ケンの笑う声が聞こえた。
ふふ、ユル=ケンは意地悪だなぁ、でも……そうはいかないよ。

「……罪喰いがいるのは、間違いがありません。あの獅子のような罪喰いだけでも退治をしないと…ここまで降りてくるということは、アミティもドワーフの村も危険に晒されているということですから」
ミツナギが言った。


その通りだ、
私は、空に浮かぶグルグ火山を見つめた。
「罪喰いの巣だった場所か……」
「闇の戦士、あの山登ったの……」
ヒュルベルトはぼんやり、グルグ火山と巨大ターロスを交互に眺めた。
「あのターロスは、闇の戦士を罪喰いの巣に送る為のモノだったらしい、アミティで聞いたよ」
私はヒュルベルトに言った。

我々も闇の戦士のように送ってくれるといいが。

「闇の戦士様じゃないと通してくれないでしょうか…」
「よじ登れば…3日くらい…?」
少し心配そうな表情をしたミツナギを見てヒュルベルトがターロスを見る。
確かに、登山するには少々高すぎる。
罪喰いには臆した様子の無いヒュルベルトだが、山登りには少々げんなりとした顔を見せていた。
「クーケ、おやつ足りるかな…」
置いて来たジャイアントビーバーの事も気にかかるようだ。
「クッキー3日分は一応買っておいていたのですが…」

「ふふ。よほど食いしん坊でなければ足りるだろうよ」
ヒュルベルトミツナギ、二人のやり取りを微笑ましく見ていたカノが言う。
「何。通さないのなら、別の道を見つけるまでだ」
カノはそう言って二人を励ました。
私も、懐から焼き菓子を取り出してヒュルベルトに渡した。
「あげるよ、帰ったらクーケに食べさせてあげて」
「ありがと」
ヒュルベルトは笑顔で受け取る。

――ヒュルベルトも、覚悟を決めたようだ。
どんな道であろうと、今は、進むしかない。
我々の目的地は改めて決まった。


北天に座す、罪喰いの巣だ。
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