この日記は二次創作になります。
独自設定並びに、独自解釈を含みます。
また下記ネタバレを含みます。
・巴術/召喚士クエスト
・蛮族クエスト
・クリスタルタワー関連
・メインクエスト
・その他サブクエスト等
また露骨なパロディーを含みます。
ご注意ください。---------------------------
前回までの3つの出来事 1つ、とうとう明らかになるコボルドの陰謀! 2つ、それを利用し、私欲の為にタイタンを呼び出したギ・ル! 3つ、さらにそれを利用し、召喚合体したヤ族の兄弟!!---------------------------
「フッ……我らが神の力……見せてやろう」 「
俺達の兄弟仁義を!!」
「なんだ……! あの姿は……?」
「召喚合体した……!」
ヤ・バダーとヤ・バズーの兄弟は、異形の姿へと変身を遂げていた。
まるで、その姿は……。
「ミノタウロス……」
シドゥが呟いた。
「その通りだ」
変異したヤ・バダーが言った。
「だが、ミノタウロスは確かアラグが生み出した合成生物(キメラ)の筈だ……」
シドゥがヤ・バダーに返した。
「いえ……」
だが、ク・ウガには、思い当たる節があるようだった。
「ミノタウロスは、確かに、アラグ帝国が作ったキメラが繁殖したものとされています……しかし、古代アラグ帝国は古の幻獣を魔科学で再現したり、侵略した民族を合成生物に変えて使役したと言います。ズルワーンを崇拝する南洋の民族をレプトイドに変えたり、伝説の天馬ペガサスをキメラとして再現したり……もしかしたらミノタウロスも」
「その通りさ」
それを聞いたヤ・バズーが不敵な態度で言った。
「俺達が蘇らせたのは、ある海洋民族に祀られていた失われた蛮神の一つ。名もなき王と契約し、その王の魂を守る迷宮の番人……俺が手に入れた”
弟神セクレト”と! そして兄ちゃんの!」
「”
兄神ミノタウロス” 我ら……
地獄の兄弟神(ヘルブラザーズ)!!」
ヤ族の兄弟は、最初からこれが狙いだったのだ。
魔界幻士として、自分たちの選んだ神を呼び降ろすための膨大なエーテル。
それを手に入れる為に、コボルド相手に陰謀を仕組んだのだ。
「ギ・ル! ギ・ル!!」
ギ・グが、幼馴染のギ・ルの体を必死に揺すった。
ギ・ルはぐったりとしたまま、動かなかった。
暴走したタイタンに、思い切り殴られたのだ。
「許せない……自らの力のを得る為に、多くのコボルド達を利用したというのか!」
ク・ウガが兄弟を睨んだ。
「フン……お前はいいよな、奇麗ごとが言えて」
「きれいごと……だって!?」
ク・ウガが、顔をゆがめた。
「俺達シャーレアンの知識は……そんなことの為にあるんじゃない……”全て”の為に、知識はある……貴方達を……許してはおけない!」
魔導書を掲げ、奴は俺の方を見た。
「力を貸してください! シドゥさん」
「応じよう……俺も、あいつ等は気にくわない」
コボルド達の社会をヤ・バズーとヤ・バダーは踏みにじった。
それは、シドゥの家族を力で奪い、焼き払った帝国と一緒だった。
「……召喚!」
「合体!」
「「変身!!」」 「Ahhhaaaaaaaa!! Ahhhaaaaaaaa!! Ahhhaaaaaaaa!! Ahhhaaaaaaaa!! 」 焔神を称える歌が、アラガントランスベルトから鳴り響き、ベルトの光がシドゥの体をイフリートの化身へと変えた。
「ほう……それがメ・ガルメを破ったアマルジャの神か……フッ、行くぜ、兄弟!」
「兄ちゃんとなら、どこまでも!」
兄弟――セクレトとミノタウロスの化身は、抱える長大な斧を振りかぶり、シドゥに斬りかかった。
イフリートの力を得て、感覚と敏捷性が強化されたシドゥは、大振りな斧の動き程度、見切れると判断した――が、その目論見は外れた。
「そら!!」
――早い。
シドゥの感覚が狂った。
セクレト――ヤ・バズーの踏み込みが、想定よりもワンテンポ早くたどり着いたのだ。
「ちっ!?」
拳で斧の側面を叩き、すんでで、刃を反らして回避する。
だが、
「おい……俺の相手もしてくれよ?」
「くっ……!」
と、今度はミノタウロス――ヤ・バダーが斧を振りかぶって近づいてきた。
ヤ・バダーもまた、まるで地面を縮めたのかのように、想定より早く間合いを詰めてくる。
「これは一体……!?」
シドゥは、体勢を立て直すために、後方に跳躍し、距離を取った。
その異様に、ク・ウガはいち早く原因を察した。
「いけない! 奴らに、レビテト系の呪文が常に発動しているようです! 恐らくは、このウ・ガマロ武装鉱山に溢れる、”地”のエーテルの力を蛮神として吸収し、大地の加護を受けているんです!」
「レビテト……だと!?」
レビテト、それは浮遊呪文。
大気や大地のエーテルを受け、宙にわずかに浮くことが出来る魔法だ。
基本的には、足場の悪い場所や、踏み込むと危険な場所を回避するために使う魔法だが、大地を蹴る負荷を極限まで減らせるため、高速移動に応用することもできる。
しかし、それは本来、無尽蔵に使えるような魔法ではない。
その覚悟を受ける幻獣や神以外は――。
「俺たちの兄弟神”ブラザーズ”は大地を司る」
「文字通りの”地の利”が、今の俺達にはあるんだよ!」
「そういうことか……」
此処は、大地の神をまつるコボルドの住む地、地属性のエーテルに溢れている。
地属性を司る神の力を得ているなら、その力も、更に増している筈だ。
「ただでさえ、二対一なのに……流石にこの状況ではイフリートでも」
「案ずるな、ク・ウガ……手はある筈……!」
シドゥは冷静に、二人の動きを見て、何とか、反撃の糸口を探そうとする、しかし――。
「フッ、そんな暇を与えると思うか……オラッ!」
ヤ・バダーが、再び攻撃を繰り出す。
と、
「そらっ!!」
合わせて、ヤ・バズーも繰り出してくる。
「チッ!?」
二人の息の合った攻撃に、シドゥは翻弄された。
『シドゥさん、このままじゃマズい!』
ク・ウガの声が、シドゥの頭の中に直接伝わってくる。
魔導書とベルトを通じて、繋がった”二人で一人の魔界幻士”である彼らは、ある程度の意識の共有が出来た。
声だけでなく、声に発してない考えや、頭の中にボンヤリと浮かんだ、抽象的な内容も、御互い共有できる。
『……イチかバチか、俺の考えに乗ってくれますか!』
シドゥの脳裏に、ク・ウガの作戦が、イメージとして直接伝わって来た。
「上等だ」
シドゥは不敵な笑みを浮かべると、ク・ウガの作戦に従った。
シドゥは、敢えて隙の多い構えを取り、ヤ族の兄弟をを真正面に捉えた。
そして、
「二人掛かりの癖に偉そうに……来いよ、勝負してやる」
露骨な挑発を述べて、シドゥは二人を手招きした。
「おまえ……俺達を笑ったのか?」
「頭に来るね、兄ちゃん……舐めるなぁッ!」
ヤ族の兄弟は、侮蔑された事に怒り、それぞれが、大地を滑るように突進してきた。
ヤ・バズーの斧が、シドゥに触れそうになる。
ヤ・バダーの斧もまた――。
「今だ……!」
その瞬間、シドゥは二人の斧が重なる瞬間を見計らって、体に炎を纏った。
「うおおお!」 ――瞬間、ヤ族の兄弟の目に映るシドゥの姿がぼやけた。 「これは!?」
「陽炎……!? 蜃気楼か!?」
ヤ・バダーの推測は当たっていた。
「「熱による、光の屈折……名付けて、光輝の幻影!」」 イフリートの灼熱波が生み出した光の屈折は、シドゥが変身したイフリートの姿を歪ませた。
その結果、ヤ族の兄弟はシドゥとの距離が一瞬、掴めなくなる。
「ああ!?」 ヤ・バズーは、振りかざした斧が止められず、勢い余ってそのまま同じく接近していたヤ・バダーに同士討ちしてしまう――。
レビテトの加護も受けて更に斧の勢いは増している為、自分たちではもはやどうしようもできない。
――筈だった。 「兄ちゃん!!」 だが、ヤ・バズーは、あろうことか、斧のスピードを一切緩めずに、むしろ全力でそれを振り切った。
「なに……!?」 シドゥが目を見開く
「うおおおお!!」
とヤ・バダーが変身した”ミノタウロス”の化身は、なんと自身に振りかざされた、セクレトの斧刃の側面に、足を乗せた。
”ミノタウロス”はそのままセクレトの斧に身を乗せた状態になる。
そして”セクレト”は斧にミノタウロスを乗せたまま全力で振り切り、その遠心力で、ミノタウロスを、空中高くへと放り投げたのだ。 「やっぱ、お前は最高だァ……兄弟!!」 ミノタウロスの化身は、天井に向けて高く舞うと、シドゥのイフリートに斧を向けて舞い降りる。
「空に投げられるのは、毎度弟のセクレトの方だったと伝承には残っているが――まぁいい……これが俺たちの――」 「兄弟仁義!!」 上空から勢いをつけた”ミノタウロス”の斧が、一直線にシドゥに振り下ろされた。
「なッ……!!」
「シドゥさん!!」
が、咄嗟に、シドゥはイフリートのガントレットで、それを凌いだ。
しかし、強烈な攻撃に、ガントレットは、砕かれてしまった。
もはや、防御と攻撃の手段がない。
「そんな……! イフリートの篭手が!」
ク・ウガが狼狽した。
その隙を、兄弟達は見逃さなかった。
「そろそろ、終わりにしようぜ、兄ちゃん……!」
「ああ……行くぜ兄弟……! 冥土の土産に見せてやろう……俺たちの取って置きをな!」
”セクレト”と”ミノタウロス”が大地からエーテルを吸収した。
神々の迸る力が、シドゥやク・ウガにも伝わってくる。
「ク・ウガッ!!」
「シドゥさん! 防御を張りましょう!」
「「光輝の盾!!」」 シドゥとクウガは咄嗟に、蛮神イフリートの力を全開にして結界を張った。
そして……
「
これこそ、セクレトとミノタウロスの究極履行!!」
ヤ族の二人が変身した、”セクレト”と”ミノタウロス”の力は極限に高まり――
「「爆砕滅殺兄弟鉄斧斬!!」」 ――兄弟神の凄まじい力、究極履行が、シドゥの”イフリート”を襲った。 「く……」
イフリートの結界は、なんとか、シドゥの身を守っていた。
だが……。
「グハァっ……!」 魔界幻士ソウルクリスタルの輝きが失われていく。
そして、召喚合体は解除され、変身が解けた。 どうやらイフリートの力を使い切ってしまったようだった――。
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