第66話「VS リットアティン」 マーチ・オブ・アルコンズ決行の為に各地へと赴く暁の血盟メンバー。
その出発の少し前、広間で準備を整えていたイダに近寄る。彼女は既に用意が整っているらしく、パパリモの支度を待っているようだ。暇つぶしにか、屈伸をしている。
・・・これ、ひょっとして。あることを思い付いたオレは、イダにそっと忍びより、ある能力を発動する!
見えた、イダの素顔っ!
これぞ超える力!当時は一人ではしゃいでいたが、今となっては彼女の素顔は普通に見れるしなぁ・・・。
などと思っていたオレにセラが呼びかける。
「ロウキくん、意識を逃避させないで」「あ、はい・・・」
このミコッテ冒険者こそ、人見知りのオレが初めて会話する(CFの挨拶とかは除いて)光の戦士であった。
どうも、バーチャル光の戦士カミカゼ・ロウキです!これまでの冒険を振り返ってるという設定で書いているこの日記。ジャンプポーションを使った方が大体のストーリーを把握したり、シャキ待ちの待機時間にでも読んでもらえればと思います!
ただし、寸劇やストーリーのネタバレ、さらに独自解釈や設定もありますのでご注意下さい! 話によると、このミコッテ冒険者は本来、エオルゼアとは違う別の世界を拠点に活躍する冒険者らしい。超える力により、三か月だけエオルゼアに来ていると言う。
「で、今月が最後の一ヶ月」「あと数週でアストルティアに帰ります!クルエリです!!」 セラに続いて言葉を放つクルエリさん!
「あ、はい」しか言えないオレ!!
まぁ、でもセラのお蔭でその後は何となく会話できた。そんな中、オレがいよいよアルテマに挑む事を知ったセラ達は、今回の作戦に協力してくれることを申し出てくれた。とりあえず二人は二人で動くらしく、オレは当初の予定通り、前哨基地へ向かう事にする。
ちなみにセラが装備(アクセ類)を買ってくれた。やったぜ。
砂の家のあるベスパーベイから北、そう遠くない場所にある帝国軍前哨基地。ウエストウインドと呼ばれる岬の全域に兵士、兵器が配備されている。海を挟んでカステッルム・マリヌムを目視できる。
少し離れた場所に、同盟軍の兵士達や、冒険者が集まっていた。
オレの姿を見つけた同盟軍の連絡将校が声を掛けてくる。制服から双蛇党の兵士と分かる。連絡将校は現状をオレに伝えてくれる。
すでに同盟軍の先行部隊が基地直前に控えているらしい。オレが冒険者を連れて先行部隊と合流後、基地への突入が開始される。目標は敵将リットアティンの撃破。
オレはさっそく先行部隊と合流すべく、冒険者達と移動を開始する。先行部隊は
アダルベルトという不滅隊員が率いているらしく、到着したオレは他の兵達に彼の元へと案内される。彼はオレによく来てくれたと労いの言葉を掛け、作戦の最終説明を始める。
先刻、目標であるリットアティンがカストルム・オクシデンスを出立したらしい。数刻で前哨基地に到着予定だ。到着が確認され次第、部隊は前哨基地へと攻撃を開始する。
ただし、オクシデンスを発った飛空艇は数隻あるらしく、そのどれにリットアティンが居るのかは偵察部隊が探っていると言う。
これが今作戦の緒戦になる。失敗は許されない。
偵察隊からの報告を、一同は待った。
どのくらい待機しただろうか。上空から飛空艇の駆動音が響いてくる。リットアティンを乗せた視察船団が到着したのだ。ここで兵士の一人が基地内に潜入している仲間とリンクシェルで通信を始める。
通信の内容は聞こえてこないが、その兵士が伝えられる情報を口述で周りに知らせる。
アントリオンというコールサインで帝国基地に潜入している同盟軍兵士からの連絡。アントリオン1、アントリオン2、アントリオン3、どれもリットアティンの姿を確認できない。
アントリオン4・・・こちらも確認できない、という報告を、即座に訂正する。リットアティンを目視にて確認。場所は――
目標を確認した。報告と同時に、アダルベルトは前哨基地攻略に参加する全メンバーに通信を送る。
「目標を確認。これより作戦を開始する。エオルゼアの反抗は、ここから始まるのだ!失敗は許されない、総員、覚悟してかかれッ!!!」 咆哮。同盟軍は一つの巨大な塊となり前哨基地に突撃した。
先行部隊が基地全体に広がり、戦域を広げる。そこへ本隊が合流し、リットアティンの目撃された場所への道を抉じ開ける。オレ達冒険者部隊はそのまま目標へと進撃する。同盟軍の隊員たちが倒れて行こうと、助けには行けない。オレ達の役目はリットアティンの排撃である。
しかし、帝国兵の対応も早い。オレ達冒険者部隊も、すぐに囲まれてしまう。だが、冒険者達はオレ一人だけでもリットアティンの元へたどり着けるようにと、帝国兵をその場に押しとどめる。奮戦する彼らに礼を言い、オレは一人、基地内を走った。
流石に一人では多数を相手にはできない。草陰などに隠れながら、飛空艇の発着場にたどり着く。
この作戦は速さが肝になる。敵に立て直す隙を与えてはならない。ラウバーン風に言うなら、勝敗は早さと速さが分かつのだ。
発着場の入り口に立つ見張りを瞬殺し、オレは一隻の飛空艇前へと走る。あの船から、リットアティンは降りたはずである。
「!」 目前に、一人の男が立つ。重厚な鎧を着込み、堂々と立つその男こそが、リットアティン。
手には銃と盾を合わせたような武器を持つ。
そして彼を護るかのように、数十名の帝国兵士。エオルゼア同盟軍の反抗を、彼はすでに推察しているだろう。ここを逃せば、この作戦は失敗する。
「貴様、見覚えがあるな」 重く、貫録を持つ声が向けられる。タイタンの討伐を果たした者として、オレはリットアティンに認識されていた。
「成程、周辺で起きている騒ぎは陽動。冒険者を送り込んで我を撃ち、オクシデンスを孤立させるつもりか」 オレの姿を見ただけで、こちらの作戦を把握してしまう。優秀である。それ故に、何としてでもここで倒さねばならない。
リットアティンは側近の部下達にオクシデンスへ海賊共が攻めてくる旨を警告するよう命を下す。直ぐに従い行動する側近も、やはり優秀か。それとも、万が一にもリットアティンの敗北などありえないとでも思っているか・・・。
オレは左手を掲げ、そこに光が生まれる。握りしめた手の中に光は集約され、空を斬るように腕を振るい、その手を開く。一瞬、強い光が辺りを包み、オレの背後には光の壁が現れる。そしてその中から、3人の光の戦士が顕現する。
走り去る側近の兵士には構っていられない。既にリットアティンは臨戦態勢なのだから。オレ達4人は武器を構え、走る。
「何故、閣下がここまでエオルゼアに固執するか解るか!?」 戦闘の最中、リットアティンは叫ぶように問う。剣劇を交わすオレ達に、答える余裕は無い。
「この地が困窮しているからだ!飢餓や紛争、さまざまな障壁!閣下がこれまで属州としてきた地は様々な問題を抱えていた」 リットアティンの話しでは、ガイウスはそれらの民を帝国下に置き、正しく導いてきたのだと言う。帝国にも身分差はあれど、才のある者は認められる公平な統治であると。
話の中で、リットアティンが属州の出で、しかし能力を見いだされ重用されていることを知る。ガイウスの目指す世界には、皆が分け隔てなく謳歌できる真の平和があると語る。
リットアティンは自身の経験から確信をもって言い切る。それは間違ってはいないのだろう。少なくとも彼は、自身の信じる正義の為に戦っているのだ。戦争に、どちらかが悪などと言う事は無い。互いに信じる正義があり、それはどちらも本当に正しい。それ故に譲れないのだ。
もし、帝国の統治がその土地を尊重するモノであったら。帝国が統治下の民を支える治め方であったのなら。もしかしたら、オレはそちらの味方をしていたかもしれない。
でも・・・そうではないのだろう?
実際に帝国の属州となった国を見た事は無い。だがそこから逃れて来た者や、帝国兵の言動。流れてくる噂や、今まさにリットアティンの言葉から、帝国がその土地の歴史を、文化を、絆を踏みにじる統治をしていることは分かる。
ガイウスのやり方はともかく、帝国のあり方をオレは受け入れられない。いいか、リットアティン。真の支配とは・・・何も奪わないんだよ。
呼び出した光の戦士の一人がリットアティンの攻撃を盾で受け、その隙にオレは槍の切っ先を叩き込む事が出来た。だが、後ろに少し引いただけで、大したダメージを与えられてはいない。
光の戦士を4人も同時に相手にし、互角以上の戦いをするリットアティンに、オレは畏怖と尊敬の念を抱く。だが、だからといって退く事など出来はしない。
オレは左手を空に掲げる。
初めて行う二重召喚。だが、出来るという確信があった。超える力が発動され、光の壁が背後で揺らめく。そして、さらに4人の光の戦士が現れる。
計8人の光の戦士がリットアティンへ迫る。
オレが、オレに与えられた力を行使して闘う。お前ほどの武人が、卑怯などとは思わないよな。
オレは若干の後ろめたさを捨てる。
「貴様がどれだけ優秀な冒険者であろうと、己が欲望の為に力を使うと言うなら・・・ガイウス閣下の大望の為、我が撃ち果たしてくれようッ」 リットアティンは銃と盾が一体化した――ガンシールドとでも呼ぼうか。独特のその武器を構え直す。
「我が名はリットアティン・サス・アルヴィナ!ガイウス閣下の盾にして矛なりッ。――貴様をここで叩くっ!!!」
臆することなくリットアティンは名乗りを上げ、オレ達を迎え撃つ。
決死の覚悟で奮戦する上官を残し、逃走を始める帝国兵の姿が見える。こうして周りを確認できるだけの余裕ができた。リットアティンは8名もの敵にたった一人で立ち向かい、そして次第に圧されていく。
無数に振るわれる刃に漆黒の鎧は削られ、やがてにじみ出る血に赤く染まる。
その時、背後から迫ってくる数名の帝国兵の姿に気付く。先程、警告の為に走り去ったリットアティン側近の帝国兵を先頭に、こちらへと向かってくる。
援軍。マズイ、誰かが足止めをしなければ――。
そう判断するも行動より早く、二つの影が帝国兵の増援を食い止めた。
「こっちは任せてロウキくんっ!」 聞き覚えのありすぎるその声は、別行動をとっていたセラナイト!そしてクルエリさんであった。二人が増援を食い止めてくれる。
ここだ。
ここで勝負を決めなければならない。オレはハイデリンより授かった光の力を右腕に集中させる。顕現する光の刃。槍を包み込み、それは巨大な剣の形を作り上げる。
リットアティンへとその光の剣を振り下ろす。
リミッドブレイク。これまで使って来たものよりも強い光の力を感じる。そうか、この力は召喚した光の戦士の持つ光の力を集めて放つ技であったか。オレは理解する。つまり、今までの倍の光の戦士が召喚されたことで、リミッドブレイクの威力が上がっているのだ。
まるで踊るように光の剣がリットアティンを切り刻む。ブレードダンス。そう呼ばれるリミッドブレイクであると知ったのは少し後になってだ。吹き飛ばされたリットアティンは背後にあった大型魔導トランスポーターへ叩きつけられる。そこへ魔道士達の魔法が次々と叩き込まれる。
魔法でその場に縫い付けられたように動けなくなったリットアティンへ、オレは竜騎士の跳躍力を使い横に跳ぶ。一気に距離を詰め、そのままの勢いでリットアティンへ槍を突き立てた。
兜の奥で見開かれたリットアティンと目があったような気がした。
オレは直ぐに槍を引き抜き、後ろへ下がる。まだ気を抜くわけにはいかない。誰一人構えを解くことなく、リットアティンを警戒していた。
「申し訳・・・ございません・・・。最後まで、覇道を・・・共に歩きとう・・・ございました」 掠れる声で呟くリットアティンの最後の言葉が聞こえてくる。背後では魔法と槍の衝撃を受けたトランスポーター装置が火花を散らしている。
「ガイウス閣下ァァァ・・・・・・っ!!」 最後の力で、リットアティンは両の腕を空へと掲げ、その命を捧げた相手の名を叫んだ。そして、ゆっくりと倒れて行き、二度と動くことは無かった。
トランスポーターは暴走し、まるでリットアティンの魂を天に運ぶかの如く、空に向かって光を放った。この暴走光はオレ達だけでなく、周辺で戦っていた部隊や、待機していた別働隊にも確認されていたと後からシドに聞いた。
オレ達にとっては、その光は作戦成功の狼煙のようなものになっていた。
第一段階、作戦成功の報告をオレはアルフィノへ伝える。同盟軍の各部隊へは、連絡将校がオレと同じ様にリンクシェルで報告している。
作戦が成功したからと休むわけにはいかない。直ぐに第二、第三の作戦が開始される。オレの次なる仕事は、同盟軍本隊と共にカストルム・メリディアヌムへ進撃する事。
冒険者部隊を連れ、すぐに指定の場所へと向かわねばならない。元の世界へと帰った光の戦士達だったが、セラとクルエリさんは残ってくれていた。
二人を新たに加えた部隊は、同盟軍本隊の待機するベスパーベイ北にある不滅隊の駐屯地へと向かった。
つづく! ボーナスタイム リットさん。ガンシールドください