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Cattlea Aither

The Heavens' Legend

Aegis [Elemental]

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弔風のカトレア第四十三話「炎の渦」

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「おのれ、これほどまでに使えぬ体だとは!!」

先ほどまでの余裕はどこへやら、ラハブレアは焦りの表情を見せる。

「簡単に手にはいるモノってのは、大抵役にたたないってのが世の常だ!勉強になったなラハブレア!」

キリシロが煽るようにラハブレアに言葉と刀を向ける。

「くっ……いいだろう。今回は敗けを認める。しかし、心せよ。闇は常に有ると言うことを」

サンクレッドの体から、ドス黒いエーテルが飛び出す。
あれがアシエン・ラハブレアの本体なんだろう。
エーテル体となったラハブレアは、そのまま空気に溶けていくように退散していく。

あとに残ったのは、パチパチという火の粉が弾ける音と焼け焦げた鉄の匂いだけ。

構えていた武器を下ろす。

「これで、作戦完了。皆お疲れ様」

「限りなく奇跡に近い勝利といったところかね。はぁあ、戦争ってのはこれだから」

キリシロは大きなため息をついて刀を納める。

鍔が鞘に当たるスチャッという音がなると同時に、床下で大爆発が起こった。

究極魔法アルテマの影響で損傷していた土台の上で、アルテマウェポンとの死闘を演じたせいだろう。
基礎が砕け散り、足場が急激に傾く。

「やっばい!走れ走れ!!せっかく勝ったってのに、落ちて死んだらせわねぇぞ!!」

焦るキリシロの声を聞いて、全員傷だらけの体を動かして全力で走る。

少し心配だった意識のないサンクレッドは、ヴォルフガングが背負って走っている。
ここまで戦って来てよくそれだけの体力が残っているものだ。 尊敬する。

もう一度大きな爆発と揺れ。

余裕ぶってヴォルフガングを見ている場合じゃない。

「やばい!死ぬ!やだ!!」

思わず情けない声がでた。

「いいから黙ってはしれぇぇえええ!!!」

「そういうキリシロが一番うるさいじゃないか!!」

騒がしく声を荒げて、崩れていく魔導城の出口を目指す。

青燐水に引火したのか、爆発はどんどん勢いを増しながら私たちに迫ってくる。

本当にやばい!

血眼で走っていると目の前に、煤にまみれた魔導アーマーが見えた。

「あれだ!魔導アーマー!!」

「あれ、使えるのか!?」

アルビオンが問いかける。

「わかんないけど!走ってたって逃げ切れないじゃん!!」

走っている勢いのまま、魔導アーマーに飛び乗る。

機器を確認し、動力に火を入れる。
少し異音がするが問題なく動かせそうだ。

「よしいける!皆早くのって!」

「さすがにこの座席に七人は大分無理がないか?」

「じゃあアルビオンは走ってく?」

「・・・・・・大人しく掴まっとくよ」

全員が魔導アーマーに飛び乗った瞬間に、操縦悍を前に倒す。

臨界ギリギリのフルスピード。
嫌な異音を発しながら、魔導アーマーは駆け抜ける。
しかし、魔導アーマーのスピードを持ってしても、爆炎を引き離すことができない。

「ダメだ追い付かれるッ!!」

キリシロが叫ぶその言葉は爆発音でかき消され、誰の耳にも届くことなく魔導アーマーごと全員炎の渦に飲み込まれた。

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