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Vein Badack

Of Virtuous Deeds

Gungnir [Elemental]

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白百合の甘い毒 13

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温室が破壊されている。
その報せに、誰もが愕然とした。俺を除いて。
誰もが慌ただしく駆け寄ると、メチャクチャに破壊され、踏み潰された白百合に、それを手に取り発狂している、明らかに病的に痩せ細った髪の長い女と、シウンの姿が在った。

「あああああああああああぁぁぁ!!あぁあぁあぁぁああぁああああ!!」
「ミヤ!ミヤ落ち着いて!!また植え替えるから!!島に戻ればまだ」
『島と言うのは、ある大名によって滅ぼされた島の事か?』

皆がざわつく中、俺だけが二人を見据えて、はっきりとした口調で言った。

「う、ウィルラさん一体どう言う」
『静かに。…シウン、悪いがここ数日調べさせてもらった。そこのガリガリに痩せた女…『ミヤ様』やその身内についてもな』
「…あなた、一体どう言うつもりなの…?これもまさかあなたが…」
『数日かけて、タイニーボムをあちこちに仕掛けた。そんな危険な花…いや、危険な魔薬素材は早々に根絶しないとだからな』
「ま、魔薬素材…?」

情報屋から仕入れた話は、こうだ。
ひんがしのとある島では、様々な薬草を栽培して、それを売っている村集落が在った。
薬草は上質なものばかりで、それを買い求める人は多かった。
しかし、その中にはソムヌス香の様な危険な魔薬にしかならない物まで売っていたのだ。
それを知った一人の大名は、即刻魔薬素材の生産と卸売りを止めるように使者を出したが、その使者は今の生活を脅かされると血迷った若衆によって亡き者にされた。
だが、それが大名の逆鱗に触れてしまい、集落は人や薬効の高い薬草ごと徹底的に吹き飛ばされた。
生き残ったのは、今も尚泣き叫んでいるミヤと、二人『いた』妹達、他数名だけだったが、いずれも今はこの世にいない。

「じ、じゃああたし達がシウンさんに頼まれて水やりをしていた白百合って…」
『花街でご禁制になった香の原料だよ。あまりに効果が強すぎる物が出来てしまって、当時はかなり大騒ぎだったみたいだな。死者も出たとか』

その言葉に、その場にいた誰もが驚愕し、ざわついた。
それもそうだろう。まさか自分達が在籍している団体のトップから、危険な花への水やりを頼まれたのだから。
また、その花が何なのかを知っていた者達は、皆口封じにミヤに殺されたのだろう。恐らく、強力な呪術によって。
そう考えると、変死体から僅かな魔法反応が有ったのも頷ける。

『ああそうだ。これは俺も気になったんだがシウン』
「…っ」
『俺をなんで『この姿』にしてまで変死体騒動を調べて欲しい為に『星雲の華』に呼び込んだのか、それが分からなかった。それなら外部から調べれば分かる事だからな』
「……」
『悪いが調べさせてもらった。あんた、ミヤの故郷を消した大名…いや、元・大名の娘だろう?』

俺の言葉に、誰もが目を見開いて今度はシウンを見た。

『…止めて欲しかったんだろ?内側から、そこで泣き叫んでいる友人が起こしていた殺人を』

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