白魔の装備もおおむね揃ってきて、ちょいちょい製作にも手を出しつつあるこの頃です。ビエルゴ神にご挨拶するために木工も上げきって、今はひとまず自己需要のある彫金と裁縫を上げつつ、次いで調理を育てたいところ。
このゲームの製作のいいところは、製作単体としてみればちゃんとゲームとして成立しているコトですね。ターン制で、品質を見ながら次に使うスキルを決め、品質値を可能な限り上げていくゲーム。規定値に到達すれば 100% 勝利ですが、そうでなければ最後はダイス勝負です。素材に HQ 品を使うかどうかの選択も含め、いくつかのクラスがある程度のレベルになってスキル選択に幅が出るようになると、制作もなんやかんやで楽しめます。
もっとも作ったものに市場価値が殆どないので、その点についてはちょっと残念ですが…。そうは言っても自給自足好きとしてはひとまずこれはこれでといったところでしょうか。
で、表題のリラックスの話ですが、果たしてこのスキル、インナークワイエットのスタック数それぞれについて、いったいどれだけの CP が回復するのでしょうか?
まあ試してみればよいだけの話なので、実際に全スタック数について調べてみました。結果は以下の通りです。
2: 15
3: 24
4: 32
5: 39
6: 45
7: 50
8: 54
9: 57
10: 59
11: 60
スタック数 1 のときは、法則から推測すると 5 が妥当ですが、実際のゲーム中ではインナークワイエットを使った瞬間のスタック数が 1 で、このときにリラックスは発動できません。
ではスタック数 12 ではいくつ回復するのでしょうか?
結論を言うと、スタック数 12 でもリラックスを発動することはできません。最初に「全スタック数を調べた」と書きましたね。そうです。インナークワイエットはスタック数 11 の状態で加工に成功しても、スタック数 11 のままなのです。そ、そうだったんだ…。
リラックスの CP 回復量を調べようと思ったら意外な事実を発見するものです。もっとも 11 もあればおそらく品質カンストしているので、ゲーム中これが影響してくることは滅多になさそうではありますが。
ビエルゴ神への挨拶が済めば祝福を受けるのが普通になるのでリラックスの出番はあまりないような気もしますが、それまでという意味であれば結構優秀なスキルなのは間違いありません。ただ最後の悪あがきとして耐久回復まで持っていこうとする場合は、現 CP が 30 ~ 40 くらいは残っていないと、リラックスを使ってもマスターズメンドは発動できないという知見は、結構重要な気がします。
ところでこのスキル、英語版も素直に Relax なのかと思っていたら、Rumination なのですね。「沈思黙考」だとか「深く考える」だとかいった意味の語らしいですが、日本語のリラックスから受ける印象とは逆なので少々驚きました。どういった意図で付けられたスキル名なのかはちょっと気になるところです。
■数学の話
ここから興味ない人は読まずに前述の表だけ見ればいいと思います。
と前置きした上で、そんじゃせっかくなので一般項を求めてみましょう。実際にスタック数 1 でスキルを発動することはできませんが、妥当な a1 の値は先も述べたように 5 です。
というわけで、一般項を求めたい数列は:
an = 5, 15, 24, 32, 39, ...
階差数列をとると:
bn = 10, 9, 8, 7, ...
これは初項 10、公差 -1 の等差数列なので、一般項は:
bn = 10 - (n - 1) = 11 - n
従って元の数列の一般項は:
an = 5 + (b1 + b2 + ... + b(n-1))
= 5 + Σ(k=1 to (n-1)){bk}
= 5 + Σ(k=1 to (n-1)){11 - k}
= 5 + ∑(k=1 to (n-1)){11} - Σ(k=1 to (n-1)){k}
= 5 + 11(n - 1) - {n(n - 1)/2}
= 5 + 11n - 11 - {(n^2 - n)/2}
= -6 + 11n - {(n^2 - n)/2}
= (-12 + 22n - n^2 + n)/2
= {-(n^2) + 23n - 12}/2
求まりました!
検算してみましょう。
a1 = (-(1^2) + 23 - 12)/2 = 5
a2 = (-(2^2) + 23*2 - 12)/2 = (-4 + 46 - 12)/2 = 15
a11 = (-(11^2) + 23*11 - 12)/2 = (-121 + 253 - 12)/2 = 60
合ってそうですね。ゲーム中はありえない 12 以降も計算してみましょうか。
a12 = (-(12^2) + 23*11 - 12)/2 = (-144 + 276 - 12)/2 = 60
a13 = (-(13^2) + 23*12 - 12)/2 = (-169 + 299 - 12)/2 = 59
a14 = (-(14^2) + 23*13 - 12)/2 = (-196 + 322 - 12)/2 = 57
わあ、減っていく! インナークワイエットの上限が 11 でよかったです…ね?
■Special Thanks
製作クラスのレベルが低かった私はそもそもインナークワイエットのスタック数を高くするのが難しかったので、実は高スタック数の部分は Eins Hartack 博士に検証ご協力頂きました。多謝!