Character

東方遠征を終え、船はエオルゼアの地へと戻りつつあった。

穏やかな海を滑るように進む船上で、仲間たちはこれまでの旅路を振り返る。

「なんだか、東方に向けて出港した日が、遠い昔のことのように思えてくるわね」

アリゼーが感慨深げにそう呟く。

その言葉にうなずきながら、リセも未来を見据えた強い意志を示す。

「いよいよ、次はアラミゴだね……。絶対に帝国の支配から解放してやるんだから！」

船旅は順調で、往路のような嵐や怪談話の続きもなく、心に余裕すら感じられる。

しかし、まだ終わりではない。厳しい戦いの中で得た多くの経験を胸に、次なる戦場――アラミゴ解放という使命が待っている。

船が港に近づくころ、思わぬ人物が迎えてくれた。

「メルウィブ提督！」

突然現れた提督に驚きつつも、アルフィノは彼女の話に耳を傾ける。

「ギラバニアの状況は、一進一退の攻防が続いている。しかし、四都市の軍勢の連携が強まり、持ちこたえているようだ。ただ、ひとつ問題が起きた……」

提督の表情が険しくなる。

「『暁』のクルル嬢が帝国軍部隊に拉致されたのだ」

仲間たちの顔が一瞬で強張った。

負傷者を後方へ送る移送作戦中、敵の襲撃を受けたという。

事態を飲み込む間もなく、アルフィノは決意を固めた。

「サンクレッドに事情を聞きに行きましょう！すぐにカストルム・オリエンスへ向かいます！」

東方遠征を終えたばかりの一行に、また新たな試練が訪れようとしていた。

彼女――クルルを救うため、そして帝国の野望を阻むため、旅は終わることなく続く。