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Ayaka Wavesurf

Belias [Meteor]

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【RP二次創作記事】郷愁の勇者 「王都ウルダハ」 エピソード5

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エピソード44.1からの続き

目の前で起こった奇跡の光景。前世の戦場なら即刻後送され絶対安静の重傷者がほんの数刻で歩けるようになった。幻術士が唱えた詠唱「ケアル」。この世界に転生して数少ない希望を目にした。恩人たちが悪漢に傷つけられ、命の危険を感じたとき私は救済者であるべき看護員の心得を捨てた。医療の知識と経験を敵を倒す武器にした。この世界で大切な人々を守るためには必要なことなのだと諦めていた。しかし、幻術士という職業を知った。

「エェェェ⁉冒険者になりたいって?」モモロトは両手を広げて驚く。オリヴァーは歓喜の声をあげた。「ホントに?ホントに?冒険者になるの⁉スゲー!」メリルダは不安そうな顔をしている。「そんな危ないこと。。。」

私はこの夕食の席で、今まで記憶がないと誤魔化していたことを謝罪して、前世の記憶を話して聞かせた。故郷である日本、家族の事、戦争で召集されたくさんの理不尽な死を見てきたこと。親友を失ったこと。そして、自分も銃弾に倒れたこと。大きな光る石の塊に吸い寄せられてこの世界で目を覚ましたこと。

「それって。。。まさか星の意思か?」モモロトは難しい顔をしている。かつて彫金師として名をはせていた時、光の戦士に関する伝説を度々耳にしていたからだった。まさかな。。。モモロトは考えを正し、前世の記憶を持ったまま生まれてくる者はそんなに珍しくはない。世間知らずではあるが、自分の生きる道を見付けた事について素直に歓迎しようと思うことにした。

「まずは幻術士を目指そうと思います。」

自分にその素養があるかはわからないが、まずは当面の目標を立てた。寒天とさつま揚げもなんとか利益につなげてオリヴァー姉弟の元に還元されるようにしたい。モモロトにその旨を話すと、幻術士ならグリダニアという都市を訪れ角尊に会う必要があるということ、商品の事については不滅隊の方々と同じ意見だった。しかし、いずれにしろエオルゼアの陸路を踏破できる資金力か低級の魔物くらいは退ける実力が無いとウルダハに着いても活動自体が詰んでしまう。資金はある程度、前回の盗賊団の件で確保できたがこれはなるべく切り崩したくない。不滅隊のミルスさんは女性ながら剣術士として立派に戦っていたし、冒険者登録の段階では剣術士としてやっていこうと決めた。モモロトの話ではウルダハからグリダニアを目指すと中央~東ザナラーンを踏破し、黒衣森を進まなければならないということで、途中ポーターが使えても強力な魔物が跋扈する地域を避けられないのでやはりそれなりに準備と実力は必要であるとのことだった。

クレセントコーヴは定期的に行商人が訪れるようになった。盗賊団スコーピオンが討伐されたとウルダハに知らせが届いてから商人たちの来村が活発になった。それに伴いキャリッジを計画的に利用することが可能になり、気前のいい商人なら運賃も半額以下にしてくれる。出発の日、キャリッジの持ち主と交渉してウルダハまでの行路を確保した。

前日の夜、小さな巾着袋に「福徳円満」と日本語で書いた小さな札と1ギルを入れて、3人に手渡した。これを作っている時、あることを思い出す。あの夏の日の思い出、モグポンと名乗った不思議な生物。手渡された硬貨。似ている。。。確かギルと言っていたような。ひょっとしたらこの世界の?そんなことを考えていたらこれからどんな冒険が待ち受けているのか心が躍り始めた。

この旅の終着点はこの4人が幸せになること、だから今生の別れではない。すぐに戻って来る。そう伝えたのだが、やはり両親を亡くしている姉弟には人を見送ることに関して特別な思いがあるのだろうと思った。オリヴァーはあの夜から木剣をいつも腰に下げるようになった。
「アヤカがいなくても、俺が二人を守るよ!あと五年たったら冒険者になるんだ。」
下を向き拳を握りしめ涙を見せないようにしていた。
メリルダには救護法や食中毒に関して纏めた書き物を渡しておいた。マレーからビルマへの転戦時に必死に勉強したものだ。他に肌の保湿、美肌効果のある食べ物についての事柄も書き足しておいた。会った時に比べ髪の艶やカサカサ肌が改善していた。彼女は弟とは違い気持ちに正直だった。
「必ず帰ると約束して!」抱き合った時、私も貰い泣きしてしまった。笑顔でいようと思ったのだが、一番の戦犯はモモロトだ。
「今からメソメソしてたら、何にも務まらないぞぉ!」そう言いながらギャン泣きだった。「これを餞別にやる!あのリングと一緒に装備しろよ。戦いを有利にしてくれるから!」モモロトは耳飾りを手渡してきた。月をモチーフにした美しい耳飾りだった。きっとベスパーベイで出会った商人なら大金を出すだろうと思われたが、これを売る気はない。

キャリッジが出発する。3人が見えなくなるまで目が離せなかった。第二の故郷を与えてくれた掛け替えのない家族としばしの別れだ。乗客は多かった。みんなホライズンでの買い物が目的の集落の村人だった。あの日以来、皆表情は明るい。現金な者だが、盗賊を倒してからというもの集落でよく声をかけられた。謝罪に来る者、村長一派の言いなりになっていたのに急に協力的になった者。いろいろだ。

ホライズンに到着後、着替えや日用品を買いそろえた。節約の為、しばらくは野宿か仮宿住まいだろうから野営用の携帯天幕も見てみた。重そうだ。これを担いで移動はキツイ。やはりちゃんと旅館を利用しようとすぐにくじけた。毎日髪も洗いたいし・・・ふかふかのベッドも・・・温かい食・・・そんなことを考えていたら空腹に気付く。何か定食でもと腰のポーチに手をやると蓋が開いていた。財布が無い。。。落とした?あれには全財産が!もと来た道を探すが出てくるはずもなく。。。途方に暮れた。
キャリッジの運賃は支払い済みだが。。。これだと無一文でのウルダハ入場になってしまう。頭を抱えていると低い位置から大きな声がした。

ララフェルの男が見上げている。
「なにかお困りでありますか⁉」彼は銅刃団のフフルパと名乗った。財布を紛失したことを告げると彼は「では、屯所へ一緒に来るであります」と私を促した。「どんな財布でありますか?」と聞かれたので、黄色い魚が刺繍してあるというと「ではあなたのもので間違えはないでありましょう!」とギルの入った巾着状の財布をテーブルに出してきた。
以前遭遇した銅刃団の連中とはまったく違う雰囲気。本来なら彼が本物なのだろうと考えを改めた。「よかったでありますねぇ。とても身なりの上品な双子が届けてくれたであります。見かけたらお礼をしてほしいであります。」フフルパは笑った。食事に行くと言っていたそうなので急いで居酒屋に行ってみたがそれらしい人はいなかった。

キャリッジ出発時刻。
夕刻からウルダハまで移動泊になるので、乗客は私しかいなかった。
「ちょっと待った!もう二人便乗したいそうだ。乗せてやってくれ!」キャリッジのオーナーが運転手に声をかけた。年のころは16~7だろうか身なりのとても上品な双子が乗り込んできた。
男女であるようだった。財布の礼をと声をかけようと思ったが、一番離れた位置に座りすぐに目を閉じてしまったので、折を見て話そうと思った。

適度な揺れが眠気を誘い。。。前世の夢を見ていた。二度と戻れない日々。
「エーテルにでも寄ったかい?すごい汗だ。」
商人風の男。。。おそらくキャリッジの主であろう男が話しかけてきた。

ガタン!キャリッジが急停止した。銅刃団の一団が荷物を改めさせろと停止を促してきた。商人の主はやれやれと言った仕草をして私を見た。
「禁制の品を積んでいるようですな!」自分のポケットから出した包みを上官に見せて大声で叫んでいる。銅刃団とは誠に茶番が好きな方々なのだと、改めて思う。まぁ高くついたが少し金を出せば追い払えるからと主は重い腰を上げる。すると風を切る音と同時に矢がキャリッジの側面に刺さった。
「アマルジャ族の襲撃だ!」主は青い顔をして身を隠した。
「あの連中はマズイ!おい!キャリッジを出せ!ここに居ても邪魔なだけだ!早く逃げろ!」
銅刃団の隊長がやっとまともなことを言った。
まるで筋肉の塊のような体躯。大柄で銅刃団が子供のように見える。はじめて蛮族という存在を知った。
そんなトラブルに見舞われながらも、ついにウルダハの玄関口ナナモ新門に通じるスコーピオン交易所に到着した。盗賊団と同じ名前なのが引っ掛かったが、気にするのはやめた。ここからは徒歩になる。

「あんたとはまたどこかで会えそうな気がするよ。その時はあんたの冒険譚を聞かせてくれ。じゃ達者でな!」商人の主は別れ際にそう言っていた。例の双子はいつの間にか出発していたらしく既に姿はなかった。

ササモの八十階段を上ると魔物が徘徊している。しかし、他の人たちは平然と階段を上っている。どうやらこちらから手を出さなければ襲ってこないようだ。シックシェルやバザードと違いあまり危険を感じないのはそのためだった。新門までゆっくり登った。軽い疲労感はあったがこの光景を見ればそんなものは忘れてしまうだろう。

素晴らしい眺め、遠くに石油でも掘っているのか掘削機のような大きな施設が見える。その先にはシルバーバザーと言われるクレセントコーヴと繋がりのある集落があるそうだ。落ち着いたら船旅で帰ってみるのもいいかと思っていた。

私はミルズから渡された封書を手に冒険者ギルドを目指す。。。だが広すぎる。それにこの世界でこんなに人混みを目にするのも初めてで、どこへ行ったらいいかわからない。

今日中に着くだろうか。。。ひたすら回廊を徘徊するが同じ場所に出てきてしまう。

ひときわ人だかりが目立つ場所に行ってみてやっと不滅隊司令部をみつけたが、知っている人はいなかった。また、回廊をウロウロする。

「クリアおめぇ~!」「お~~~!」「乾杯!」居酒屋だろうか?歓声が漏れ聞こえる場所があり、空腹で倒れそうだったのでとりあえずドアに手をかけた。
「~~~の者。無期限出入り禁止」これは私じゃないなと中に入った。いかにも荒くれ者と言った風貌の人たちが大きなジョッキを手に思い思いの会話を楽しんでいる。やはり酒保かと、私も空いている席に座りハーブティーと日替わりランチを注文した。種類はわからないけど鳥肉の香草焼きとスープ?これはいける。夢中で食べていたら、気づくと何人かと目が合った。見ない顔だな?ということかな。。。

「モモディーさん、このたびは申し訳ありませんでした。」

モモディさん?その名前が聞こえて、ハッと目線を向けると前世でたまに目にしたことのある謝罪。「土下座」を目撃した。この世界にもあったのかと感心したが、ここが冒険者ギルドであることにやっと気づいた。あの二人の謝罪が終わるのを待つことにした。


ーーーーーー

登場人物ネタバレ

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メリルダとオリヴァーの姉弟はクレセントコーヴで会うことが出来ます。盗賊に怯えるメリルダと村を嫌い外の生活を夢見るオリヴァーが印象的です。


モモロト
LV50.先輩レターモーグリからのクエスト「夢あふれる髪飾り」の登場人物でモモディさんとの関係がとても深い設定になっています。クエスト進行中のみクレセントコーヴで会うことが出来ます。


フフルパ
ホライズンで会うことが出来ます。メインクエストの序盤で登場します。マジメで実直な性格。

タラハシー
ゾンビ映画好きな人はすぐにわかると思います。あのしゃべり方はいかにもアメリカ人。


あの二人とは?こちら

最後まで読んでいただきありがとうございます。バックナンバーは↓を押しますと出てきます。
【RP二次創作記事】郷愁の勇者 前世の記憶 エピソード0
【RP二次創作記事】郷愁の勇者 クレセントコーヴでの出会い。 エピソード1
【RP二次創作記事】郷愁の勇者 冒険者との出会い エピソード2
【RP二次創作記事】郷愁の勇者 ベスパーベイ エピソード3
【RP二次創作記事】郷愁の勇者 厳しい世界 エピソード4
【RP二次創作記事】郷愁の勇者 「厳しい世界の裏面」 エピソード4.1

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Shyne Bonds
Comments (8)

Arus Glay

Belias [Meteor]

おおー!しろうさんのストーリーに繋がった!
ついにメインストーリーにも入っていきましたね!
これからの展開楽しみです( ´ ▽ ` )

Ayaka Wavesurf

Belias [Meteor]

あるさん
コメありがとうございます^^
野良の時、しばらく剣術士しかしてなかったのでメインはそれで進行させようかと、あとIDをどうするか考えています。
しろうさんのストーリーの後を丁度いい間隔で追ってる感じですね^^

Jinto Linn

Belias [Meteor]

【無期限出入り禁止】に笑いましたw

Ayaka Wavesurf

Belias [Meteor]

ジントさん
これは使いたい設定だなぁとやってしまいました(^o^)

Ju-shirou Mishima

Belias [Meteor]

「福徳円満」いいですね!ついにウルダハに来られましたね。ようこそ、いまは修行中です。
幻術士への流れとかウルダハへつくキャリッジはいいですね。ちゃんとなるべく運命にそっているような感じがよいです。そして堅実な生活ですね!だれかに見習わせないとですよ!


そういえば、そろそろアヤカさんと出会いそうな雰囲気です。こちらはCh2のラストが始まるので、その前にちょっとだけ

おっと誰かがきたようです。。

Ayaka Wavesurf

Belias [Meteor]

しろうさん

登場させていただいてありがとうございます。
あのミコッテの件ですね!
剣術士も終盤に入ってきましたね。悪友と敵の親玉の過去があきらかに。

Enjoy Cat

Valefor [Meteor]

お邪魔します(「・ω・)「 ガオー

創作出来る方って凄いですね!ฅ(๑⊙д⊙๑)ฅ

私には無理なので、リスペクトです!(´。✪ω✪。 ` )

日記にも書かれてましたが、FCメンバーとか色んな方が出てくると

色んな意味で面白くなりそうですね!(*´艸`)

それでは、楽しいFFライフを♪

εε=(((((ノ・ω・)ノ

Ayaka Wavesurf

Belias [Meteor]

Catさん
訪問コメありがとうございます^^
いずれはメンバーさんに協力いただいて、そんな遊びもいいかなぁ
なんて密かに企んでいました。(*'▽')
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