メイド長 : スカートを指先で軽くつまみ、ドレープを美しく見せながら優雅に一礼を…
アリカ : う~ん、どうもこのドレスって、わたしには不釣合いな気がするんだけど
メイド長 : そんな事ありませんよお嬢様、自信を持ってください。
アリカ : まだローブならいいけど、こうひらひらしたものは…蹴りも出せないじゃない。
メイド長 : 蹴りを出す必要はありません!
依頼内容を聞かされた私は、あれから絶賛花嫁修業中!だった…
……花嫁修業を言い出した依頼主から、さらに詳しく話を聞かされた。
依頼主には、代を譲った息子夫婦がいたが、最近事故により夫婦揃って亡くなったそうだ。
ただ、依頼主は息子夫婦の死因に疑いをもっていた。
依頼主 : 事故などでは無い、息子達は殺されたのだ!
簡単に言えば家督騒動の末、一族の者に事故に見せかけられて殺されたとの事。
物騒な話ではあるが名家によくある事、実際アルカマン家も家督騒動の末グリダニアを出たのだ。
依頼主 : 犯人の目星は、ある程度ついてますが、残された孫の事が気になりまして、
アリカさんには、許婚という事で護衛も兼ねて孫についてほしいのです。
こうして表向き許婚という事に、グリダニアへ来た名家の娘として、花嫁修行に励む毎日となった。
アリカ : それにしても名家っていうのは、どこも家督争いが起きるものなのかな?
メイド長 : あまりそう考えたくはないですが、どこも問題を抱えてるのは確かなようですね。
アリカ : う~ん…まっいいか、ちょっと庭で体動かしてくる。
グリダニアへ来て1週間、そのほとんどを花嫁修業とやらで費やしていたが、さすがに飽きた( ゚д゚)アキタヨ・・
いままで、ほぼ日課としていた格闘術の型を、運動不足になっていたので、久々にやってみた。
アリカ : ふ~ はっ! はっ! はっ!
幼い頃に習った格闘術の基本、スーリー母さんの教えをなぞるように、体勢を変えながら拳を突き出す。
あれから何年も経つのに、いまでも教えてもらった型は、考えなくても体が覚えている。
スーリー : これはあくまで型だからね、本当の強さを出すには気が必要になるんだよ。
(そう、あなたの産みの母アリア…武神の力は…)
わたしは、ひたすら体を動かした、型はそれぞれ単体では一つの型だが、
型と型が繋がりそれが回り始まると演武の舞となっていた。