メイド長 : アメリー、あの宿屋の隣の部屋にいたヒューランの男と接触したのだな。
中庭から屋敷の部屋に場所を移し、意識が戻ったアメリーに姉であるメイド長は、
いままでの経緯を訊いていた。
アメリー : はい、アリカお嬢様の情報を得ようとしてた所、
あの男の方からお嬢様の許婚の話を聞かされて…
意識を取り戻したアメリーは、グリダニアに入ってからの事を思い出しながら話始めた。
アメリー : 最初はわたしも警戒していたけど、今回の依頼主息子(弟)様もいたから…
油断しました。
メイド長 : 今回の任務に関して、どうしてお前が知る事ができたか…深くは追求しないが、
今後は軽率な行動はしない事だな。
今回の任務がアリカに任され、そのメンバーに選ばれなかった事から、勝手に任務内容を
盗み見し、先回りしてグリダニアに来ていたと、メイド長にはバレバレである。
アリカ : 普段のアメリーなら、こんな事はしないだろうに。
それに、わたしでもわかるほどの殺気と、わたしの攻撃に気が付かないのも変よね。
アリカの格闘術は、いまだ実戦経験の無いものであっても、格闘士して資質は十分なものである。
だが、このアメリーと姉であるメイド長のカーン姉妹は、どこぞの部隊の隊長、副隊長クラス
アリカの技をまともに受ける事など考えられなかった。
アメリー : それが、あの男と会って、あの不気味な部屋に通されて、
話を聞かされてから意識がはっきりとしないんです。
メイド長 : 不気味な部屋?
アメリー : あの男、人形師とか言ってたけど、等身大の人形でヒューランの女形や
ララフェルのもあったけど、すごいリアルすぎて本物みたいだった。
それにへんなお香も焚いてて、不気味だった…
メイド長 : なるほど…どうやらお前はその部屋で暗示をかけられたようだな。
…アリカお嬢様、依頼主様より件の事故に関わった人物の調査依頼を受けまして、
わたくしとメイド隊のもので、その人物の正体を突き止めたところ、
アメリーの宿泊していた宿屋の隣の部屋に滞在していた人物にたどり着きました。
アリカ : うん、わたしの護衛任務中の外出だったから、護衛とは別件で動いてるとは思っていたよ。
メイド長 : その者の情報ですが、ヒューラン男性、名を「Act karla」と名のっているようです。
この男、一種の魔法使いというか魅了系の技に長けているようで、
今回はアメリーがその術にかかり、マール様襲撃という行動になったようです。
アリカ : 魅了系か…そいつの術は、そんなにすごいものなの?
このエオルゼアで一部モンスターに使ってくるのがいると聞くが、実際どのようなものか、
アリカにはわからないものだった。
メイド長 : 魅了系の話ですが、単純なものから「暗示」「洗脳」「精神汚染」とあるようです。
アメリーのかけられた「暗示」ですが、対象者の心の内にある強い思いに対して
効果を出します。アメリーのお嬢様に対する思いを逆手に、許婚に対して憎悪を
向けるよう仕向けられたと思われます。アメリー自信の油断もあったのは確かですが。
アリカ : 術自体には、そう簡単に誰でもかかるものではないようね。
メイド長 : はい、その為の準備や道具といったものも必要になるとの事ですので…
ここまでのメイド長の説明、当主様よりの「G」に関する周知事項にあったものを一部抜粋し、
「G」には触れずに答えたものだった。
アリカ : 件の事故に依頼主息子(弟)がかかわってるのは、依頼主様は知ってるのね?
メイド長 : はい、依頼主様は依頼の時から、疑っていましたので。
アリカ : アメリー、このわたしアリカ・アルマカンが、ここでのお前の任務を与える。
依頼主息子(弟)、その関係者「Act karla」を探し出せ!汚名返上だ!
今回の処分に関しては、今任務終了後、アルマカン家に戻ってからだ。いいな!
アメリー : かしこまりました。なんとしても探し出してみせます。
アリカはめずらしく、アルマカン家の名を出し、その家の者であると言う自覚から命令を下していた。