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暗黒騎士の記録 Ⅺ― そしてふたつの名は消える

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こんにちは。Biskaです。

リエルとシドゥルグ、そして私。
この三人で歩いてきた道は、いよいよひとつの答えに辿り着こうとしていました。

イストリドから届いた決闘の報せ。
それは正式な裁きというより、最初から相手に有利な場所で行われる、ほとんど一方的な決着のようにも思えました。

それでもシドゥルグは引きませんでした。
護るために、血を捧げ、肉を削ぐこととなろうとも、決して引かない。
その言葉が、師から受け継いだ極意と重なって見えました。

そして出発の前、リエルがそっと言葉をくれました。

護られてばかりだったこと。
それでも、自分も少しずつ強くなれたこと。
「暗黒騎士」が前に進む姿に、勇気をもらったのだと。

その言葉は、とても静かでしたが、胸の奥に深く残りました。

決闘の地で向き合ったイストリドは、やはり冷たい人でした。

リエルを見て、父親の面影を重ね、
まるでそこにいること自体が許せないと言うように、感情をぶつけてきます。

けれどシドゥルグは、そこで一歩も退きませんでした。

これ以上、ひとつの傷もつけさせまい。
そう言い切る声に、迷いはありませんでした。

栄誉のためではない。
正しさのためでも、名誉のためでもない。
ただ、護るために剣を振るう。

その姿に、暗黒騎士という道の重さが、はっきり見えた気がします。

そして戦いの中で、リエルもまた変わっていきました。

逃げていれば、いつか終わると思っていた。
でも、私たちが受けた傷を見て、
前に進むことの痛みを、自分も受け止めたいと――。

その言葉を聞いたとき、胸が少し熱くなりました。

守られるだけだった子が、
自分の足で、生きることを選ぼうとしている。

その瞬間に、「コーリニョンの娘」という名は静かに終わり、
リエルはただのリエルとして、前を向いたのだと思います。

戦いのあと、シドゥルグは言いました。

今胸を満たすのは、怒りよりも静かで揺るぎないもの。
それこそが、求めていた極意たる心なのだと。

ようやく、少し分かった気がしました。

怒りだけで進むのではない。
誰かを護りたいという気持ちがあって、
そのために傷つきながらも進むからこそ、
暗黒騎士は折れないのだと。

リエルもまた、最後には笑ってくれました。

傷ついても進む背中が、
誰かに前を見る勇気をくれるのだと。
その言葉は、すごくまっすぐで、うれしかったです。

シドゥルグはこれからも残り、私は私の道を進む。
護るべきものは同じではなくても、
それぞれがそれぞれの場所で、盾になっていく。

茨の道だと、たしかに誰かが言っていました。
でも今なら、その先に孤独だけがあるわけではないこともわかります。

だから私は、信じて進もうと思います。

■ひとこと

ふたつの名前が消えたあとに残ったのは、
痛みではなく、ようやく手にした“生きる”という選択でした。
静かな決着だけれど、とても大きな一歩だったと思います。
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