メインホールにはまだクルルしかいなかった。
皆もそろそろ到着するだろうから待とうと言われて、ムビに入った。
皆揃ってるけどウリエンジェだけいない。
遅くなったって言って入ってきた。
シュトラが大丈夫って答えた。これで全員揃ったって。
クルルから話し始める。
我々の目的はテロフォロイの陰謀を阻止する事。それに繋がる調査が2つある。
1つ目はシャーレアンの異変。哲学者議会の不可解な動きの件。
99人もいれば外交についての考え方も色々ある。
ライブラリアンと呼ばれる一派は歴史の記録者に徹する事を重要視して徹底的な不干渉を奨めてる。
ルイゾワやガラフなど他国との協力に前向きな議員もいるっていうけどその2人もう死んでるのでは？そういう議員もまだいるっていう話ね。
それなのに今回のエオルゼアへの要請には派閥も主張も関係なく皆協力出来ないと言った。それがおかしい。
今は他にすべき事があるって言ってる人が多いらしい。
ラハ君がフルシュノも終末を理解した上で別の行動を選んでるようだったって話した。
哲学者議会の考えてる事を皆で調べるのね。
2つ目はバルデシオン委員会に届いた依頼の話。
バルデシオン委員会は世界にある未解明なものを研究する組織。遺物や遺構や魔法とか。
だから各地に共同研究者や協力者がいる。
今回の依頼者はサベネア島の錬金術師のニッダーナ。
サベネア島にも塔が出現して異形の蛮神が呼び出されている。
サベネア島を領有するラザハンの長の太守の指示で塔の攻略法を探してるらしい。
ラザハンに行ければ紫貨を交換出来るようになると私は知ってるのだ。だからラザハンに行きたい。優先するのはこちらね。
ウリエンジェがラザハンの錬金術は非常に古い歴史を持っててウルダハ式とは違う体系だと教えてくれる。
その錬金術の話も聞きたいな。
塔についてエオルゼアや東方には無かった見識も得てるかもしれないらしい。
今まで攻略法の無かった塔を攻略出来るかもしれないのなら大きな一歩よね。
クルルによると実際に方策があるらしい。すごいじゃん。
その研究の為に出来るだけ戦闘に長けた光の加護を持つ人を紹介してほしいという依頼らしい。
私じゃん……？
いえ私も錬金術師なんですけど？？
職人としてシャーレアンに入国してるので錬金術師として派遣で構わないんですが？
シュトラに私はサベネア島ねって言われた。……ですよねー。
終末に関わるからシャーレアンの調査にも関わって欲しいって更にシュトラは言う。
もう両方やればいいんだろ？
クルルに「忙しくさせちゃって申し訳ないけど、あなたにはどちらにも手を貸して貰えると嬉しいわ。順番はお任せするから……」と言われた。
あ、これ、漆黒開始のアルフィノとアリゼーと同じパターンだね。両方クリアしないと先に進まないやつでしょ？
他の皆の割り当てをクルルが決めた。
シャーレアンの調査は引き続きクルルがやる。
他に賢人位を持ってる人しか見られない資料があるからシュトラとラハ君。
賢人位は無いけどアルフィノとアリゼーもシャーレアンの調査に志願した。
自分の父親や哲学者議会が何を考えているか少しでも知りたいからって。
それがフルシュノが2人を遠ざけている理由にもなるかもしれないしね。
サベネア島はサンクレッドとニャンとウリエンジェ。人数少ないな。荒事になるの絶対こっちじゃん。
人数少ないからIDは無さそう。いや待って？ロール揃ってるわ。タンヒラDPS全部いるわね。
ニャンはサベネア島には帝国に侵入した時に経由したから多少は土地勘があるらしい。
案内出来るほどではないらしいが案内は任せた。
ウリエンジェもサンクレッドも賢人位持ってるのに調べ物しないの？
ウリエンジェ、調べ物好きそうなのに政治関連は嫌いなのかな。
依頼の詳細はクルルがサンクレッドに渡した。
それぞれの調査が終わったらまたここに集まろうって。
クエストコンプリートしたら、!が2つ出てた。ほらー。
少しでもラザハンに近い方を選びたいからサベネア島の調査からかな。
でも「ラザハンを自由に歩けるようになってから」紫貨は交換出来るらしいから先は長そう。
クエストを開始する前に皆に話を聞きます。
アリゼーは他国に友好的な議員もエオルゼアへの協力を拒むなんておかしいって言ってた。
アルフィノは哲学者議会の隠れた思惑は一筋縄では解けないだろうから少しでも彼らの迫れればいいって言ってた。
シュトラは哲学者議会は厳選に選ばれた市民の代表で、金銭や血統のみで得られる地位では無いけどマトーヤは彼らの事を嫌ってたって話した。
ラハ君は私と街を散策するのが楽しかったって。
そいや露天書店にはあれから行ったのかな？また一緒に行きたいね。
ここからは気合を入れて調査するらしい。頑張れ。
ウリエンジェはラザハンに関わる本を読んだ事はあるけど行くのは初めてなんだって。
あ、だからこっち側になったの？
どうやって終末の塔に抗おうとしてるのか学びたいらしい。
ニャンはサベネア島に行く事が分かってたらもう少し装備を考えたって。どういう事？気候が違うのかな。
ではまずサベネア島の調査から行くわよー！
サンクレッドに話しかけた。
『ぐらりサベネア旅情』
何か荒事になりそうにないタイトルだな？ぶらりじゃなくてぐらりなのが気になるけど平和そう。
サンクレッドがクルルから指示書も受け取ったから行こうって。新しい土地楽しみだね。
ニャンがサベネア島まで船を使うと時間かかるって言った。ニャンは1回行ってるからテレポ出来るみたい。
クルルから転送魔法研究所に行ってみろって指示があるってサンクレッドが言った。協力してくれるんだって。
確かアラグの遺物調べてテレポの原理を確立した組織だっけ？サベネア島にテレポさせてくれるのかな。
ウリエンジェの表情が凍った。目を伏せる。音楽も止まった。
「転送魔法研究所……ですか……」
ウリエンジェのトラウマでも何かあるの？
サンクレッドも分かってるみたい。ウリエンジェにとっては顔を出しにくい場所らしい。
首を傾げる私。こちらにも分かるように話して欲しい。
ウリエンジェが前に氷の巫女がスノークロークから逃げる時に転移先のエーテライトを止める事で追手を阻んだ事を覚えてるか尋ねた。
うっすらと覚えてるわ。蒼天の頃は日記書いてなかったなら曖昧だけど。
その対策に呼ばれたのがムーンブリダだった。そうだったっけ？彼女は白聖石のイメージが強かった。
彼女自身はエーテル学が専門だったけど知識を的確に転送網の再形成に活用してみせた。
それには理由があって、彼女の両親が転送魔法研究所で働く研究者だったから。
親の研究なんて教えて貰わないと子供は知らない事も多いと思うけどムーンブリダは違ったのね。
サンクレッドがウリエンジェにムーンブリダの両親に挨拶に行ったのか尋ねた。ウリエンジェは首を振った。
「先程の自由時間の際、伺おうと試みましたが……意気地のない事に出来ませんでした」
あー……街に着いた時に行く場所があるって言ってたのそこだったのね。でも行かなかったのか。リアル時間で4時間もあったんだぞ？？エオルゼア時間だと何日かあったと思うけど(観光しすぎ)
ウリエンジェはムーンブリダが亡くなった時にその事を両親に手紙に書いて送っただけで、その後に連絡を取ろうと考えたけど結局やらずに終わってる。
ダメなパターンだね。めっちゃ会いづらくなるパターンじゃん。幼馴染って事は両親の事も知ってるんだろうし。
「私はまだ分からないのです。何を伝えればいいのか……どんな言葉ならこの心を表せるのか……」
想いを伝えるのは言葉だけじゃないよ(Byティファ@FF7)
伝える言葉が無いのならそれをそのまま伝えればいいのでは？
ムーンブリダの死がウリエンジェに大きな影響を与えてる事は皆分かってる。多分彼女の両親も分かってくれるよ。
しんみりしてたけど、ニャンは全く事情を知らないので、行くか行かないかは自分で決めろとスパッと切り捨てた。
「……無理ならこっちでどうにかするだけだ」
気を遣ってるのか分からない言い方だなー。ニャンなりの気の遣い方だと思うけど。
ところでニャンはウリエンジェの詩を聞いたんです？仲良くなる為に詩を聞かせるってウリエンジェ言ってたけど。
ウリエンジェはニャンの気遣いに感謝しつつ、一緒に行くと言った。
転送魔法研究所でキットという研究員を探そう。
エーテライトの側にあるんだっけ、研究所。
ついでにギルドシップモブハントを開放した。
グリーナーリーヴも開放出来た！
リーヴ、ギャザラーのは低レベルのも行けない所ばかりね。
クラフターのも採れない素材がある。
お金の稼げそうな簡単そうなリーヴはあるかしら。無いならしばらくクリスタリウムで幻薬作ってるけど。
転送魔法研究所、キットが分かりやすい所にいた。
話しかけたらすぐムビですか。厳つい人がゾロゾロ来てるけど中には可愛いララフェルもいますよ、ちゃんと見て下さい。
クルルの紹介でサベネア島までの移動手段を教えてもらいに来たと言ったら「実験台の人！」って言われた。
不穏な気配がしますね？
転送魔法は自分を移動させる時は転移魔法とも呼ぶ。呼び方はどちらでもいいらしい。
転送魔法は、自身を一時的にエーテル化して地脈や風脈のエーテルの流れに乗せて目印のエーテライトまで運ぶ仕組み。
原則として一度交感したエーテライトにしか移動出来ない。だから新しい街に着くと絶対エーテライトに交感するよね。テレポ出来ないから。
転送魔法の研究者達は長年その課題を克服しようとしてきた。
それで、事前の交感を必要としない新型エーテライトが遂に完成した！
おー。それすごい画期的な発明なのでは？
くそっ。サンクレッドと丸っきり発言が被った。全く同じ事言ってる。「それはすごいな！かなり画期的な発明なんじゃないか？」だって。私の台詞取らないで下さい。
まだどこへでも行ける訳じゃないらしい。
製造過程で関連付けを済ませてる新型エーテライト同士じゃないとダメなんだって。
新型は1基がこの街のエーテライトプラザに置かれてて、もう1基はサベネア島のイェドリマンという港町で試運転をしている。
だからこの街のエーテライトは形が違うのかな？新型に置き換わってるから？
新型エーテライトの開発にはラザハンの錬金術師達の力も借りたらしい。
ラザハンは中立国で古くからシャーレアンと親交もあるんだって。ならそんなに危ない国じゃないのかな？
私達はその新型エーテライトを使わせて貰うから「実験台」なのか。
サンクレッドはエーテルの制御がままならないからテレポすら危ういらしい。
エーテルの制御が上手く出来ないのは知ってたけど、テレポも無理だとは知らなかったよ。それ不便だね。
キットによると新型エーテライト同士間の転移は装置内に組み込まれた術式によって転移出来るらしい。
問題無いのか、良かったね。
あとは私達がそれを使ってもいいかという許可が出るかという話だけど、転送魔法研究所としては新型エーテライトの機能を使ってくれる人は常に募集中なんだって。
だから問題ないらしい。
転送魔法が事故って地脈の中を彷徨った人身近にいますね？
シュトラは2回もやってるし、サンクレッドも1回やったわね？
事故が怖くて試してくれる人が少ないらしい。
「怖いもの知らずにグッドラック！」
キットに褒められた。
ウリエンジェがウィルフスン氏かブローウィダ氏は今日ここにいるかと質問した。それがムーンブリダの両親の名前なのかな。
優秀な人達だからここを辞めて別のチームに引き抜かれたらしい。
哲学者議会が直々に指揮を取ってる一大プロジェクトへの抜擢という噂があるらしい。
それが月に行く事へと繋がるのかな？
哲学者議会の思惑はまだ分からないけど、終末を信じてるのなら別の場所へと移住も考えてそれが月への大移住……？
転送魔法の権威を雇うのならそれなのかなと今思った。合ってるかは知らん。
ウリエンジェ、ムーンブリダの両親に会えなかったね。
また引き伸ばされた。
自由時間の時にここに来てればいない事はもっと早く分かったんだろうけど、いなくて内心ホッとしてるのかな。
まだ何を伝えればいいのか分からないってさっき言ってたし。
準備をして、ササっとサベネア島へ移動しようと言われた。
エーテライトプラザに集合。
実験台、いっきまーす！
エーテライトの前に皆集合してた。
ウリエンジェは気持ちを切り替えてサベネア島の調査に集中するらしい。
塔に抗う人々を少しでも助けられると良いと話してた。
サンクレッドはエンシェント・テレポでアレしたから転移魔法に良い思い出が無いって。
サンクレッドは転移魔法っていう言い方をするのね。
クルルが推薦するんだから実績はあるんだろうって言うけど、そもそもテレポの原理を作ったのがこの組織だよ？実績ありまくりだよ。多分大丈夫よ。
ニャンはサベネア島に行った時にエーテライトに交感してるから実験に付き合わないって。
裏切り者〜！ここに裏切り者がいます！
まあ全員実験台になって何かあったら困るものね。
1人だけ無事な人も確保しておくべきか。
では指定地点で待機します。
あらキット喋るのね。ボイスあるのね。声めっちゃ可愛いな？
キットが送るのは4人でいいかと聞いたらニャンが現地で交感済だから自力で飛べると答えた。
「えー……検体が減っちゃうのは残念だなー……」
キットさん、ついに実験台から検体呼ばわりしてきたぞ。不安になってきた。
私達3人だけエーテライトの前に並ぶ。何かあったら後は頼んだぞ、ニャン。
キットがリモコンを操作したらテレポが始まるのか光に包まれる我ら3人。
その瞬間、言い忘れてたってキットが言う。何よ。不安になるような事言わないでよ。
「これで転移すると、ちょーっとだけエーテル酔いがキツいから。お大事にねー！」
それ割と重要事項じゃない？？
反応する間もなくサベネア島に飛ばされた。
めっちゃ雨降ってるわ。
異種族同士の争いが多かったらしい。
錬金術の発達した島らしい。
1つの国として発展してからは中立国になってるけど悪意が渦巻いている。
「お前達はそれを……それを本当にどうにかできるのか？」
エメトセルクに問いかけられるけど、私達それどころじゃないです。倒れてます。
テレポ完了した途端にうずくまる我。
同じようなサンクレッドと倒れ込むウリエンジェ。
ベンチで頭抱えて顔をしかめる私。
空を仰いで苦しそうなサンクレッド。
膝を抱えてしゃがみ込んでるウリエンジェ。
私達3人酷いエーテル酔いです。
ニャン、頭抱えてるし「大丈夫……ではなさそうだな」って言ってる。
見れば分かるじゃん。
ニャンが飲み物買ってきてくれるらしい。ありがとう。
サンクレッドがクルルからの指示書に書き添えてあったと話し出す。
ニャンは金銭感覚がアレだから1人で買い出しはさせるな。
何て事！！アルフィノ坊ちゃんよりヤバいんです！？
エーテル酔いヤバイけど気合いで立ち上がる自機。がんばれー。
少し歩くと『エーテル酔い』ってデバフ付くの面白いな。
しゃがみこんじゃうの気持ち悪いんだろうな。
ニャンを探す前に話しかけたら、サンクレッドは流石英雄だな、俺達の活動資金を頼むぞって途切れ途切れに言うけど、ウリエンジェはずっと無言。
膝を抱えて体育座りでずっと無言で下向いてる。
ニャンはすぐ近くのよろず屋にいた。
何か酔いに効く飲み物を3つ欲しいって店主に言ってる。
店主は外からのお客さんかと驚いて、二日酔いもシャキッと治る特製アームララッシーを勧めてくる。
まあ普通ね。このオススメを買えばそんなおかしな事にはならなそう。
「3つで、1万9800ギルだ！贅沢な材料を使ってるからこれでもお買い得！」
そんな訳あるかい。高いわ。どんだけボッタクリ価格なんだ。マケボのHQ価格かよ。
試しにコンパニオンアプリからマケボを覗いたら、HQ品は3つで9999ギルだったからマケボの方が安いわよ！
ニャンは満更でもない様子らしい。マジかよ。どうせNQ品なんだろ？NQだったらマケボで100ギル以下で売ってたよ。
あと材料くれれば多分私作れるので自分で作ります(エーテル酔いはどうした)
「1万ギル……まあ、そんなものか？」
『「それはどう考えても高い」と伝えたいが口を開くと別のものが込み上げてくる……！身振りでエスティニアンを「否定」しよう』
自機、調理出来る状態じゃなかった。
さっきから隣に何か買いに来る二足歩行する象が気になるけど、ニャンを否定するか。
必死になって否定した。ニャンに休んでいなくていいか聞かれたけど俺達の活動資金の一大事だからな。
世界を救う事も大事だが俺達の活動資金も大切だ。タタルに怒られる。
割高だと気付いたニャンに店主は他の物と勘違いしてたから3つで1980ギルだと言い直した。
それでも高くない？
まあ1個660ギルだからスタバでコーヒー飲むとそんなもんか。
ニャンにラッシーを渡された。他の2人にも渡しとけって。
ニャンは街を1周してから戻るらしい。また後でねー。
2人の待ってる場所に戻ったらサンクレッドが愚痴ってた。
「何が「ちょーっと酔う」だ……。お嬢さん方と……飲み明かした翌日だって……ここまでじゃなかったぞ……」
サンクレッドはお酒に強いんだな。酒の酔い方と乗り物酔いは別だからなー。エーテル酔いって多分乗り物酔いに近いんだよね？
ウリエンジェにラッシーを渡した。
臓腑が洗われていくようだって。やっと喋ってくれたわ。
私とニャンと南国の果実に感謝してくれた。まだ元気無さそうね。
ところでさっきまでエーテル酔いしてた私は超元気に走り回ってるね。
持ってるラッシー2個しか無かったし、描写は無かったけどここに来るまでに自分の分は飲んだのかな。
ウリエンジェ、こんな恐ろしい経験をしたのは初めてだから新型エーテライトは兵器としての活用も考えられてる？とか言ってる。そんな訳あるかい。
まだ体育座りしてるのが可愛いな。
サンクレッドにも渡したら活動費を守ってタタルにも怒られずにいられる事に礼を言われた。
お前も楽にして自分のを飲めって言われたからまだ飲んでなかったみたい。その割には元気に走ってたわね。
全員ラッシー飲んで回復したらニャンが戻ってきた。
戻ってきたニャンは髪を縛ってた。
島が暑いから鎧を脱ぐ事は出来ないけど、髪は結ったんだって。
その長髪気に入ってるのね。切るという選択肢は無いんだな？私は夏になったら多分短くしますよ。
髪紐は買ったらしい。……ん？嫌な予感がする。
丈夫なサベネア織で簡単にはほつれないらしい。
で？幾らで買ったの？
9400ギルで買ったらしい。洒落込む訳じゃないから頑丈な紐ならどんな紐でもいいから、特価と言われた物を選んだとか。
バカー！ニャンのばかー！！せっかく守った活動費をつまらぬ物に使いおって。
髪紐くらい材料くれれば私が作るわ。……意外と無いな？製作手帳に髪飾りは沢山あるのに紐は無いな。
「すごいな……タタルどころかアルフィノが先生になれそうだ」
サンクレッドが苦笑いする。ニャンは首を傾げた。
ここで選択肢が出た。
「どの店もボッタクリすぎでは……？」
「ラザハン商人はみんなこうなのか……？」
「元蒼の竜騎士、チョロすぎでは……？」←
「それについては回答いたしかねますが……前提として、これほど横暴な取引が蔓延している事自体が異常なのではないでしょうか」
ウリエンジェが答えてくれる。
観光客に対するボッタクリは通常営業じゃなくて？
余所者だからぼったくられてるんじゃないの？
ウリエンジェがラザハンの説明をしてくれる。
サベネア島を持つラザハンは歴史の長い国。
島の先住人はマタンガの一派、アルカソーダラ族。あの二足歩行する象さんか。
アルカソーダラ族の文化に後から入った異民族の文化が溶け合って独自の様式を形成してる。
そこから生み出される工芸品とか織物は諸外国でも大変な人気の品。
まあインドだな。
ラザハンは東西の海を結ぶ立地にあるから古くから交易大国として栄えてきた。
だから国の玄関である港町で不正価格での取引が横行してるのは体面上良くはない。
そういうものなのか。観光地ではないのか、ここ。交易の玄関口なのか。
不正を取り締まれないほど国が麻痺しているか、そうしなきゃならないほど人々が困窮してるのか、この島の実情を知る必要があるとウリエンジェは説く。
塔の出現による弊害かもしれないとの事。その可能性高そうだね。
サンクレッドもウリエンジェの意見に賛成した。
クルルの依頼人はこの先の集落にいるらしいけど、この街で一旦情報収集をしようって。
現状を確認するのは大切よね。
クエストコンプリートしたらラッシー貰ってるの笑うわ。
「いただいたラッシーのおかげで大変スッキリ致しました。不肖ウリエンジェ、これよりの働きをもってあなたの壮絶な買い出しに報いましょう」
ウリエンジェはいちいち大袈裟過ぎるのよ。でも頑張ってくれ。
ニャンには髪を結ってるのが珍しいか？と聞かれた。まあ見慣れないわね。
昔から竜騎士の兜を被ってた時にも結ってたらしい。じゃあ最近下ろしてたのが珍しかったのね。
我々がニャンを助けた後でイシュガルドの病院に運ばれた時に気付いたら解かれてて、それからそのままだったらしい。
結んでる方が好きですね。まあどっちでもいいわ。ニャンはニャンだしイケメンだわ。
2022年3月19日③
