あれは風吹きすさぶダンスカーでのことでした...
当時のアライアンスは、初見さんもおらず、歴戦の勇士揃い。私は学者でした。
よかった。今回は早く終わるかもしれない。
いつもの私なら、カオスな状況だって楽しみたがるのに。
その時だけは深夜ということもあり、疲れていたのかもしれません。
レディ・ラドリア号に乗り込んですぐに出会う"デスゲイズ・ホロー"
初見殺しではありますが、経験済みであればなんということはありません。
ヴォイド・デスを堅実魔で避け、
ヴォイド・ブリザジャからの、ヴォイド・エアロガを受けるだけ。
その時の私は、いつものルーティンの通りに行動をなぞっていました。
エネミーHPの減少も早いし、誰もまだ倒れていない。
このままなら何事もなく終わるだろう。
二度目のヴォイド・ブリザジャの詠唱が始まり、
距離を取りたい気持ちを抑え、私は攻撃範囲の直線上に立ちました。
やがて始まるヴォイド・エアロガの詠唱。
後ろを振り返った私は、氷柱があることに安堵し、
集ったアライアンスの皆さんとともに、ゆっくりとその身を任せました。
……おかしい。いつもならあるはずの衝撃がない。
気づけば私たちは、船の甲板を飛び出し、雲海に投げ出されていました。
奇跡的に私達は、かろうじて甲板に残った数名の方自動蘇生に救助され、一命をとりとめました。
後から聞いた話ですが、ヴォイド・エアロガの発動と同時に敵が撃破され、
あの時、確かに後ろにあったはずの氷柱が消えていたというのです。
堅実魔を残していれば、19人が同時に足を滑らせることはなかったのではないかと、
今もずっと後悔し続けています。
ホラー風の文章難しすぎる