ルガ姐が嘆いてた。
「地図g10が三つも四つもあって邪魔」
売るのも芸がないので、宝探しをするつもりらしいが、日時を設定し大勢を募ってツアーをするほどの気力は無いようだ。
「今からぴゃっと行って、ちゃっちゃっと終わらせたい」
二人だけで行くのは無謀すぎるので、FCの状況を確認すると武闘派メンバーの面々は、ちょうど難しそうなダンジョンに出撃中だった。
攻略中でも申請中でもない人の中に、地図g10を未経験な人がいた。
以前からルガ姐は彼を誘ってg10に行きたいと希望していたようで、これ幸いと引き入れた。
他にもうひとりと、声を掛けたら快諾してもらえた。
合計4名。
地図g10の上限人数は8名。
内、ルガ姐を含め3名は地図g10が初めて。
探索はできるけど魔紋が開いた場合、非常に厳しいことになるのは間違いない。
案の定、こんな時に限って魔紋が開き、一回目のルーレットで全滅した。
強制排出ではない。全滅だ。
「「あきらかに火力不足」」
と意見の一致。
今回の裏の目的はクリアでなく「処分」なので全滅してもいいのだが、でも、それだけだとやっぱり楽しくない。
ちょうどその時、インしてきた人がいた。
ルガ姐、壁ドンするかのような勢いで行った。
5名になった。
ひとり増えただけで安定感がまったく違った!
初めてモンスターたちを倒せて、小躍りして喜びあった。
その後は冷や冷やしながら、モンスターたちを倒していけた。
8名で挑戦するのと違い、余裕がないので緊張感が半端ない。
一戦終わるごとの達成感と疲労感が心地よかった。
4枚くらい使っただろうか。
奇異なことに、全部で魔紋が開いた。6%の呪いはどこに行った。
「もう呪いは解けたかなあ」
と、かわいいことを誰かが言っていた。
ギリギリ攻防をしのぎながら、なんとか迷宮探索をこなしてくことができたが、
最後に、また全滅してしまった。
それも愉快だった。
正直、段取りも準備も適当で行き当たりばったりで、効率重視するなら怒られてもしかたない。
けど、バトルは厳しいのに空気がユルイから、笑いが絶えない楽しい時間だった。
パーティー募集とかでは出ないであろう空気感。
FCに入ってよかったなあと、改めて思った。