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Hime Miko

Kujata [Elemental]

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第三話 森のリスたち 3 ≪チーズとちびなもさま≫

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#今日も今日とてエオルゼア

グリダニアの森。
『黒衣森』

その木漏れ日の下を、
一羽のチョコボがてくてくと歩いていた。

…常々思うのだが、
チョコボたちの数え方は
「一羽、二羽、三羽」
で合っているのだろうか?

馬鳥とも呼ばれる彼ら。

屈強なルガディン族を軽々と乗せる、
大きなチョコボの存在も考えると、
「一頭、二頭、三頭」
と馬のように数えるのも
間違いではないような気がしてくるのだが…

話が脇道にそれてしまった。
戻ろう。


グリダニアの森。
『黒衣森』

その木漏れ日の下を…


…常々思うのだが、
グリダニアの森は、「森すぎる」と思う。

盛り盛り大盛りの森だ。

海の都や、砂漠の街の者たちは、

「大袈裟な!」

「どうせ緑が多いとかそんなものだろ?」

「誇大広告ヨクナイ」

そんなことを口々に言っているかわからないが、
それくらいの認識ではないかと思われる。


が、一歩入って恐れおののいてもらいたい。

まず、視界の9割を木の幹がしめる。

大中小、特大、極大、神大の木々が、
目の前でコンニチハを言ってくれる。

そして、歩いても歩いても森。
西に行っても、東に行っても、
北に走っても、南に倒れても森。

飛んでも森。

出れない。

グリダニアの街に入っても森なのだから、
逃げ場がない。

森の腹の中である。

そんな緑しみわたる体験をしたい方は、
是非是非おいでませませグリダニア、である。


話が脇のけもの道までそれてしまった。
遭難しないうちに戻ろう。



木漏れ日の下を、
一羽のチョコボがてくてくと歩いていた。

金銀きらめく装飾と、
鮮やかな紅の布を纏った黄色いチョコボ。

歩くたびに、赤の色がひらりらと舞う。

その背には、
桜色の髪をなびかせる
一人のミコッテの少女。

チョコボと同じく、
紅の装束に身を包み、
何かを探すように周りを見渡していた。

仲良しおそろである。

東方風の装束は、
大きくスリットが入っており、
白くしなやかな脚が、惜しげもなくさらされている。

フワフワのチョコボの羽に触れて、
最初はくすぐったいと言っていた少女、姫巫女。

いまは羽毛の温もりを
心地よく感じながらの騎乗である。


そんな彼女は
少し眉をひそめると、

「んー、ホントにリスさん見つからないの」

と、独り言ちた。

訳ではなかった。

『そうだねえ。以前通った時には、
そこらにチョロチョロと見かけた気がするのにね』

と、姫巫女の言葉に返すものがいた。

先ほど御紹介した、
てくてく歩いている紅衣のチョコボ。

名を「チーズ」という。


「そうじゃの。小一時間探し回って、
一匹も姿を見ないというのは、確かにおかしいの」

『こんなんで、50匹捕まえるとか無理じゃない?』

「エサでおびき寄せてみるとか?」

『たとえば?』

「んー…ドングリとか!」

『そんなの、そこらで見つけられそうだもの。
わざわざ寄ってこないんじゃないかなあ』

と、相談しながら、件のリス探し進行中である。


姫巫女がチーズと出会ったのは、
冒険者となって、いくつかの依頼をこなした頃。

一緒に旅をする相棒として、
双蛇党より紹介を受けた。


ベントブランチ牧場で初めて出会った時、

「初めまして!姫は姫巫女じゃよ、どうぞよしなに♪」

『じゃ?変わった喋り方だね』

「そう?姫、生まれた時からこうじゃからヨクワカンナイ」

『生まれた時からってことはないんじゃない?』

「まあまあ、そんなことはどうでもよかろ!
これから、いろんなとこにいこうね、チーズ」

『チーズ?』

「うん!其方のお名前じゃよ。可愛いでしょ?」

『チーズ…ってなに?』

「んとね、これっくらいの黄色い食べ物で、
パンとかにのせて食べたりすると美味しいのじゃ♪
なんか、お腹減ってきて、黄色いその姿見たら頭に浮かんで…」

『そんな理由なの!?くいしんぼ!?』

「くいしんぼじゃないもん!」


というやり取りがあった。

横にいたチョコボ飼育員が、
なにしてんだ?こいつらって顔をしていたが、
その時二人は、
「チョコボと人が会話している」
ということが、
不思議である気付いてなかった。

そんなものなのだろうと
思い込んでいたあたり、
ヌケサク具合がお似合いの二人である。

しばらくして、
あれ?何か他の者と違うみたい?
と感づいたが、素適なことには変わりないので、
わいわい、にこにこと幸せな日々を過ごしていた。

変な目で見られぬよう、
少しだけ周りの人眼を気にするようにはなったが。


さて、そろそろ、
「もう一人」を紹介しないと、
ポコポコと可愛らしい蹴りが飛んでくるので
御紹介しよう。

親亀の背中に子亀、子亀の背中に孫亀ではないが、
チーズの背の姫巫女の肩の上。

そこから、

『なもな!』

と、小さな女の子のような、
可愛らしい声が聞こえてきた。

「えっ、どこ?どこにいたの?ちびなもさま!」

『なも!』

『あっち?』

「どこどこ?」

『なもなもー』

「あ、おさるさんだった?ざんねん!」

『まぎらわしい猿だね』


自動人形というものがエオルゼアには存在する。

色んなアレコレを駆使して作られた不思議人形で、
起動時に所有者とエーテル交感をすることで、
歩いている後をついてきたり、
甘えたり、おちょくってきたり、
共に暮らすお友達、家族になれるものだ。


姫巫女の肩で、足をパタパタさせている彼女は、
とある国の女王を模した人形だが、

妙なことに、

「喋る」
「食べる」
「寝る」
「遊ぶ」
「なんでもする」

という一風どころか、
千風ほど変わった子である。

姫巫女と交感した時から、

『なもな!』

と喋りはじめ、食事時も一緒に、
大好きなクッキーをサクサク食べている。

お口が見当たらないのに、
こ気味いい音とともに
クッキーがなくなっていく様は、
なかなか見ものだ。

自己も持ち合わせているようで、
何かしらを主張したり、
朝寝坊など、姫巫女がだらしない生活をした場合、
お目付役の一撃とばかりに、
強烈な飛び蹴りが飛んでくる。

某国の某女王陛下のお名前をお借りし、
ちょっとかきまぜて、
「ちびなもさま」

こちらも、チーズ同様、
『なもな』の言葉は、
姫巫女とチーズしか理解していない様子である。


そんなわけで、
このリス探しの道中も、
三人お喋りしながらの賑やかなものだ。


「だめじゃ、ぜんぜんいない!」

チーズの背から降りた姫巫女が、
うーんと背伸びしながらこぼす。

『どこいっちゃんたんだろうね』

チーズも羽を、ぱたたっと振るわせて答えた。

「考えてみればあれじゃ。
鬼哭隊の方々も
一生懸命探して見つからないのじゃもの。
普通に探してどうこうなるわけがないの」

『じゃあ、どうするの?』

「あ、そうじゃ、チーズ!
さっきのおさるさんに、
ちょっと聞いてきてたもれ」

『なもな!』

『いやいや、ちびなもさままで…
もういなくなっちゃったよ』

と、チーズは首を振りながら答える。

「ふふふ、ざーんねん」

おさるさん云々は冗談のつもりだった姫巫女が、
悪戯っぽく笑う。

それにつられて、
チーズ、ちびなもさまもまた、
楽しそうに表情を綻ばせた、ように見えた。


いいアイデアは、
リラックスした状態から生まれるという。


その時、姫巫女の頭上に、
ぴこりん!と何かが輝いた。


「そうじゃ!あそこに行こう!
森の中をよく走っておる彼らなら、
何かみたり聞いたりしてるかもしれん」

『あそこ?ああ!』

『なもな!』

「うん!そうと決まれば出発じゃ!

ベントブランチ牧場へ!」


サッと姿勢を低くしたチーズの背に、
姫巫女が軽やかに飛び乗る。

その肩に、ちびなもさまも、
ぴょこんとジャンプ。


いつもの、毎日のルーティンは、
言葉も合図も必要なく、
水の流れのごとく滑らかだ。


先ほどより、足を速めて、
チーズが駆け出す。

『あとさ、姫様!』

「ん?なんじゃ?」

『もうすぐお昼だから、お腹空いたんでしょ?』

「えへへ、バレた?」

『なもなも』

『そりゃそうだよ、僕だってお腹空いたからね』


いいアイデアは、
リラックスと空腹のおかげで、
浮かんできたらしい。


「じゃあ、まずは牧場ランチじゃの♪」

『さんせーい!』

『なもなー!』


そんな楽し気な三人組は、

一路、黒衣森は中央部にある、
「ベントブランチ牧場」へと向かったのであった。


≪続く≫

次回『証言』

☆この作品はFF14の世界を題材とした二次創作であり、
色々、様々、姫の想像と妄想の夢物語なのじゃ☆
実際の作品、物語、プレイヤーを表すものではございませぬ。
すべての権利は、運営様に帰属するものでございます。
なので、転用しちゃダメじゃよ!!

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