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Elvis Cartwright

Atomos (Elemental)

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【長編#003】そして旅は始まる

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「「まさか、本当にお前なのか?」」
お互いの顔を見たまま、しばし沈黙が流れる。

お互い、名前に覚えがあった。顔も、喋り方も振る舞いも、知っている。
親しい友人のものと、あまりにもそっくりだった。

「その...単なる他人の空似じゃないとなら、色々と聞きたいことがあるんだけどな...」
「俺もだ、が」

しかし、彼らは信じられなかった。見知らぬ場所の、見知らぬ村。
そんなところで偶然出くわすような相手では無いと言うことを互いに知っていたからだ。

「まずは本当にお互いのことを知っているのかだ。適当に話を合わせている相手では無いことを確認したい」
「おうぜ、じゃあオレがお前のことをまず話してみるぜ。違ったら言ってくれ」
金髪の青年エルヴィスの言葉に、白髪の少年シンクは応えた。

かつてお互いの過去を語り合った親しい友人同士。だからこそ、それを話せば信じられる。

「オレが前の聞いた、お前のことを話すぜ」
「ああ、頼む」

思い出しながら、シンクは語り始めた。
「お前は竜騎士だ。大きなクリスタルに守られた、遠い小さな国の、竜と共に生きる騎士。そこでは竜と人とが互いに尊重しあって生きている。…オレのいた国からはまあ結構離れてたよな。船で遠い海越えないといけないし。んで、幼少の頃から選ばれて、延々と師匠に何から何まで厳しく育てられたんだったか?」
「そうだ」
エルヴィスはうなづく。

「大人になってからは、竜騎士団に所属して、国を守ってるんだよな」
「ああ」
「あのとき、うちの店に来たのはどういう用事だったんだっけか。遠いのに、普通来ないだろ?」
確認するように伺うシンクに、エルヴィスは答える。
「見聞の旅として、同じくクリスタルに守られた国を見に行く、その途中で立ち寄ったのを覚えている」
「よし、んで、うち泊まって、それから手紙やり取りする仲になったんだよな」

ふう、とシンクは一呼吸置いた。
「…こんなところでいいか?エルヴィス」
「うむ、俺の知る君だな」
エルヴィスはゆっくりとうなづく。彼は不審な点は特になかった、そう感じていた。

「…で、なんでこんな村に来たんだ?」
「クリスタルの呼び声がすると、神殿に呼ばれてな。『危機に瀕する彼の世界を救え』と。声を聞いたとき、光に包まれて、気がつけば森に投げ出されていたのだ」
「ふうむ…」

エルヴィスの答えにしばし考え込んだあと、シンクは続けた。
「んじゃあ、今度はオレのこと言ってみてくれ。エルヴィス」
「ああ、わかった。」

彼は思い出しながら語り始める。
「君は...元軍族の白魔道士だったな。もともと商人の家系に生まれたが、魔法の才を見込まれて、魔法学校の研究職にまで行くところだった。だが、君の…俺の国とは比べものにならないほど巨大な国は、周囲の国と競り合いになっていた」
「ああ」
うんうん、とシンクはうなづく。

「それで君は、半ば望まないまま軍に入ることになった。そこで君は嫌々ながらも充実していたが、ある日の戦闘で親しい同僚をほとんど失った。…軍に嫌気がさした君は、国も軍も半ば無理やり抜け出して、隣国で冒険者となったと聞いた。それも順調じゃなかったと聞いたが」
「ああ、あってるぜ。泥水啜って這いずりまわって、結局商人と兼業の冒険者になったんだ。その方が安定してたからな。」

シンクが緊張を解いた顔をした。
「よし、エルだな。オレの知ってるエルだ」
エルは、エルヴィスの愛称だ。

「…君はどうしてここへ?」
「まあ、エルのと似てるな。クリスタルの呼び声を聞いて、久々に本国に戻って神殿に。気がついたら森に真っ逆さまだぜ」
痛かったんだよなー、全く。そう言ってシンクは頭を掻いた。

「ともかくこれで、本物だってわかったなー」
「ああ、俺も君がシンクだと確証が持てた」

一人きりで知らぬ場所にいるのと、見知った者とでいるのでは居心地が違う。
二人は思わず笑みをこぼしていた。

「しかし奇遇だな。君と会ったのは何年も前に、一度きりだ。以後は手紙でやりとりするのみだったと言うのに...」
「んー...わかんねーけど、親しい仲の奴ってお前くらいしかいなかったんだ。そっちはどうだ?」
「ふむ、俺もそうかもしれないな」
エルヴィスはそう応えた。

シンクは続ける。
「昔歴史書で見た限り、クリスタルの導きは何が起きるかわからなくて、親しい者同士が導かれることもあれば、見知らぬ者同士が導かれることもある」
「ふむ...」
「ただ...それより…もっとやべえのがさ」
「なんだ?」
「あの言葉が正しいなら、ここって異世界なんだろ?」

「...異世界、か」
考え込むエルヴィス。その言葉を頭が理解することを拒んでいた。

シンクは続ける。
「気づかないのか?ちょっと話を聞いただけで、言葉の言い回しは聞いたことないものばっかだし、距離の単位も良くわかんねぇし、見たことない魔物もいる。植物だって違うのばかりだ、文字も似てるけどすげー読みづらい癖がある。こんなのどこの文献でも見たことない」
「ふむ…」
「そしてなにより、クリスタルの言葉だ」

“危機に瀕する彼の世界を救え”

エルヴィスは、重い口を開く。
「シンク…実のところを言うとだな。俺は考えないようにしていたのだ」
「なぜだ?」
「帰る見込みが立たなくなるだろう?」
「あー、んー…」
シンクは顔を上げて、どうしたもんかと唸った。

それから意を決して話す。
「じゃあ逃れようのない決定的なもんを言うぜ」
「…なんだ」
「魔法が違うんだ。エーテルの感じからそうだけど、オレがかつて使えてた魔法が、ほとんど全部役に立たないんだ。魔法の研究のために各地を歩いたことがあるけど、こんなの見たこともない」
「…通りで君が魔物に追われていたわけだ」
「おうぜ… こんなんじゃ冒険なんざできたもんじゃない...一から鍛え直しだぜ。大陸が違うとか、そんなレベルじゃ無い、多分時空レベルで違うんじゃ無いかと思うな...」
腕を組み、シンクは考え込む。

「ところでさ、エル。ここに来てどのくらいだ?オレは今日来たばっかだけど、あの様子だとそれなりに長いんだろ?」
「一月半は経っているな」
「一月半もこの調子なのか...!?」
「ううむ…」
シンクの気迫に困惑するエルヴィス。

「…あんな酷え扱いは受けてるし、こんなとこに止まってるし… 本当にエルなのか、って思っちまったんだよ。お前、そんなやつじゃなかったろ...」
「…俺はもとより、人と付き合うのは得意では無いのだ。竜との方がまだ話せたくらいだ。それに」
「それに?」
「…こんなことははじめてだったんだ。どうしたらいいのか、なにをしたらいいのか見当もつかんのだ…。なんとか槍は手に入れた、その程度だ...」
「んー」
エルヴィスの心底困っている様子に、シンクは考えた。

「ま、そこは泥水啜ってどん底這いずって生きてたことあるオレの方が得意...か。
...いいぜー、やってやる。まずはここを脱出するための情報集めからやろうじゃないか」

床から勢いよく立ち上がって、彼は言った。
「こんなシケた村、さっさとおさらばしようぜ!そして、クリスタルの言う使命とやらを終わらせて、オレたちは元の世界に帰るんだ!」

***

翌朝から、二人は動き始めた。

朝昼は村の仕事を片っ端から手伝い、夜は酒場の手伝いをしながら話を聞く。酒場の片付けも、村のお使いも、二人いるだけでずいぶんと楽になった。

「ああ、エルヴィス、今日も来たのかい」
家を訪ねられた老婆が言った。
「ああ、今日は友人も連れてな」
「はじめまして、おばあちゃん」
「いいねえ、元気な子だねえ」

昼には、村の人々の仕事を手伝い、使い古しの荷物入れや、ちょっとした駄賃、武器や、保存食の余り、治療薬や毒消し。そんなものを集めていった。

村人にあしらわれつつも誠実に努めてきたエルヴィスの人徳と、数々も取引や冒険を成功させてきたシンクとの組み合わせは、かなり上手くいっていた。

シンクが、簡単なものとはいえ、治癒の魔法をつかえることも
良い方向に向かう助けになった。

酒場の隅で、吐こうとする中年の男。
「うっぷ、飲みすぎ、た」
「おっちゃんー、無理すんなよー」
「なんだ、白髪の坊主、っ、うお」
その背中に手を当て、シンクは治癒の魔法をかけた。

「ふー、随分楽になった、助かった」
「なあ、おっちゃん、聞いてもいいかー」
「おう、いいぞ」
「ここってなんて国なんだ?」
「なんだ坊主!はは、そんな事も知らないのか!」
「教えてくれよ~」
「は、はっ、子供でも知ってるぞ、ここはグリダニアってとこだ。
 この村は黒衣森っつうでかい森の中の、わりかし端の方にあるとこなんだ。
 ここをちょっと南に超えれば、ザナラーンも近いぞ。知ってるか?ザナラーンは」
「知らねえんだよなー」
「かわいいやつだな、おーい、誰か地図持ってねえか?こいつに見せてやりたいんだ」
「おっちゃん助かるぜー、エルー、お前も見に来いよー」

酒場というのもいい場所だった。
シラフでは白い目で見られるようなことも、酔っているときならそんなに気にされない。

夜にはこうして、この世界の常識を徐々に知り、理解していく。

もちろんそれらは、まだ見ぬ冒険に出る、そのための準備だった。

***

そうして2週間ほど経ったある日のことだ。

夕方、開店準備中の酒場。
「...」
いつものように二人で黙って、片付け、掃除。
店を開くための準備をしていた。

そこに突然。
「失礼するっ!」
槍を携え鎧に身を包んだ者たちが入ってきた。

「き、鬼哭隊の方々が、どうしてウチの店へ」
仮面をかぶり、規律を持った様子の彼らを見て、店主は驚いていた。

「巡回をしていたところ、この村に幻術士でもないのに幻術を使うものが居ると聞いた。この店に住んでいる者だということはわかっている。店主、その者は今どこへ」
「こ、こいつです!」

慌てた店主が、シンクの襟元を掴んで引きずり出した。
「い、いででっ」
あまりの勢いに、床に転がる。

「確かに、見たところ幻術士ではなさそうだ。
 幻術を使うというのは本当か?少年」
見下ろす男の前、杖を持って体を起こす。
「いってえ...。幻術ってのは...これのことか」

自身の痛み消しも兼ねて、治癒の魔法を放った。
「...!おい、それはどこで身につけた。親から教わったのか、精霊の声を聞いたのか?」
「自分で覚えたもんだ、誰にも教わっちゃいない」
「なんだと...?少年、すぐに荷物をまとめて、旧市街の幻術士ギルドに行け」
「今すぐ?そんな急に言われてもなあ...」

面倒気な様子を隠さないシンクに、鬼哭隊の男は声を張って言った。
「精霊との関わり合いを知らずに幻術を使うことがどんなに恐ろしいことか知れ!」
「は、はいっ」
「それと、そこの青年」
飛び上がったシンクを他所に、男はエルヴィスに向き直る。

「貴様は槍使いらしいな。その身体を見ただけでわかるぞ。鍛えが足らん。
 だが、街道沿いの魔物なら退けられる程度と聞いている」
「...あ、ああ」
「鬼哭隊本部、槍術士ギルドへ来い。この少年の仲間なのだろう。
 二人で市街に来るといい。...では、失礼した」

男達が帰ると、店主が少しヒステリックに言った。
「ほら、さっさと荷物をまとめろ、明日の朝には出ていけるようにな!
 もう店は手伝わなくていい!」

酒場の主人に追い立てられ、二人は荷物をまとめる。

***

翌朝。

世話になった人々に声をかけ、二人は村を出る。
一番世話になった老婆からは、「この程度しか渡せるもんがないけど、無事を祈っておるよ」そういって、白い旅装を渡された。

「んー、街道沿いとは聞いてるけど...」
村から市街へは、歩いて数日かかるらしい。

保存食をかじり、歩き続けるも、そのうち日が落ちてくる。
「宿屋に泊まる金もないぜ、どうする」
「野宿だろうな... 俺は構わんが...」

「野宿かー、ちょっと避けたいなー...
 ちょっと戻って、道沿いのどっかに泊めてもらえないか... ん?」

道の向こうから、チョコボが歩いてくるのが見えた。
それは馬車のようなものを引きながら歩いている。

「おーい」
手をふると、止まった馬車の中から老年の男が顔を出してきた。

「どこまでいくんだい、グリダニアかい?」
「ああ、グリダニアの市街に向かっている」
「なら乗っていきなさい、最近、イクサル族も居て物騒だ」

エルヴィスが答えると、商人風の男はそう言って、席へと誘った。
席では双子の少年少女が寝ている...

(続く)
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