インの時間は23時を過ぎていたと思います。
23時にもなると4人PTならまだまだ集まる可能性もありますが、8人PTだとちょっと心許ない。
24人レイドだと最早絶望。
とても集まるとは思えない時間帯です。
それでも期待を込めて募集をします。
万が一に掛けてみます。
しばらく待ちますが全く反応がありません。
私はこのダンスカー下限の挑戦を試みようと思った時に一つ考えていた事がありました。
「全く人が集まらない時も当然あるだろうから、その時は待ち時間に溜まっているジャーナルを消化して行こう。」
普段の私はPT募集しかしていないと言っても過言ではなく、PT募集の合間にちまちまとメインクエを進めていくプレイスタイルです。
ですからメインクエ以外のクエともなると更に放置し続けている為、全く消化されていないクエが長期間ジャーナルに居座っている訳です。
これを何とかしよう。
私はジャーナルを開いてソロで出来そうで、尚かつこんな機会では無かったら多分手を付けないであろうクエを探します。
そこで目に留まったのが漁師Lv50クエスト「網倉危機一髪」でした。
漁師のレベルをほぼディアデム諸島で上げた私としたら「泳がせ釣り?何かあったなそう言うの…」状態でしたが、兎に角、餌の購入から始めてみます。
私にとっては餌の購入すら面倒です。
しかしここはグッと我慢。
待っていてもクエは進みません。
次に釣り場を探します。
「北ブラッドショア」
…何処だ?
ネットで場所を調べます。
「コスタ・デル・ソルの北の方か」
テレポでサクッと辿り着いたコスタ・デル・ソルには誰も人はおらずひっそりとしていました。
「去年の夏は結構賑わっていたのにな〜」
感傷に浸りながら北に向かいます。
釣り場に着くと、当然の様に誰も居ませんが、NPCの水着集団が延々とダンスをしていました。
「このNPC集団はその内活躍するのかな?」
何となく思いながら釣り糸を垂らしました。
PT募集にはまだ誰も来ません。
私は釣り竿を何度も投げました。
無事に目的の魚を釣り上げたので漁師ギルドに戻って報告します。
報酬で貰えたのが「ハルシオンロッド」でした。
ハルシオンと聞いたら私の中では「春四音」
SOPHIAの「黒いブーツ〜oh my friend〜」の一節。
この歌は松岡氏が親しい友人を失った悲しみをそのまま表現した歌と言われています。
ハルシオンロッドと名付けられたこの釣り竿にも何か逸話があるのだろうか。
私は今まで全く釣り竿のグラフィックには興味がなかったのですが、初めてじっくり竿のグラフィックを見てみました。
細部まで詳細にデザインされた魅力的なデザイン。
スタッフの拘りを感じます。
「格好良い」
素直な感想でした。
私はギャザクラの中で漁師が一番苦手だったのですが、ギャザクラ道具で一番初めにミラプリしたのが「ハルシオンロッド」となりました。
私は漁師ギルドの前の海でハルシオンロッドを手にして釣りをします。
奇しくも時間は深夜帯。
私の頭上には薄っすらと月が輝いていました。
私はダンスカーに思いを馳せます。
「ダンスカーでも同じ月が見えるのかな」
それは私には知る由も無い問いかけで、結局参加者が一人も無かった今回のPT募集は、長期間ジャーナルの隅に埋もれていた漁師ジョブクエ50と共に終わりを告げたのでした。
(第八回PT募集終了)