※高難易度レイドに赴くヒーラー向けの記事です。
身内から"ライトちゃん向けに何か書け"と言われたのですが、
"タンクがタゲ取るまでリジェネは打たないようにしましょう^_^"
なんて書く気には流石にならず、視点を変えて
基本のキである"移動"について語ろうと思います。
どこかの配管工が"移動"そのものを遊びの核に据えているように、
Aim Labでエイム力だけを鍛えても立ち回りを知らなければFPSで勝てないように、
MoBAで"とりあえず靴を買え"とか言われたりするように、
RTSで騎兵の価値がやたら高く設定されているように、
"移動、動くことそのもの"が重要となるゲームは少なくありません。
14においても"移動"への理解を深めることは重要です。
なぜならこのゲームの高難易度レイドにおけるありとあらゆるギミック処理というのは、
"適切に移動できているか"というただ一言で表現できるからです。
ヒール量が足りないのは知らん
DPSが足りないのも知らん
さて、今回は"移動"に纏わる考え方についてつらつらと語っていくつもりですが、
"ギミック処理のためにどう動くか"という点だけを述べていくことに注意してください。
つまり実戦ではインプロやら癒やしのタンゴサンバだか、ナイトの羽だかナントカの輪のように
"PT全体が集合するべき状況"についても考える必要がありますが、
本稿では一旦それらを無視してギミック処理のみに着目します。
あと詰めを見据えた"複数択のどれかが来る前提の位置取りをする"考えも今回は除外します。
では早速。あなたはH2です。再生4層に行きました。
開幕は、
悦楽の手の左右二択 -> 散会 or 頭割り
という流れなのは皆様ご認識の通りです。
そしてよくあるマクロではH2は散会だろうと頭割りだろうと東が担当ポジションです。つまりは
悦楽の手の左右二択 -> 東へ行く
という至極簡単なギミック処理をさせられることになります。
さて、悦楽の手が来るまでに貴方はどこへ移動しておくべきでしょうか？
正解は"ボス真下"です。
ボス真下にさえいれば、悦楽の手が左右どちらに来ようとも滑り撃ちで回避して
そのまま東の担当位置へ動くという最小の移動距離でギミックを処理できます。
一方で、たまに”予め東の担当ポジションのところに行く”
という動きをする方がいます。この場合ギミック処理がどうなるかを見てみると、
①悦楽の手が西に来る場合
->全く動かなくていい
②悦楽の手が東に来る場合
->一度悦楽の手を避けるために中央より西へ移動する、その後東へ戻る
となります。
"1/2の確率で全く動かなくて楽でいいわー"という発想なのか分かりませんが、
あまりいいやり方ではないと私は考えます。
理由を説明します。
悦楽の手のモーションが見えてから、実際に技が発動するまでに3秒の猶予があるとしましょう。
ボス真下にいる場合は、この3秒を丸々ギミック判断するための時間として割り当てることができます。
悦楽の手を避けるのにかかる、左右に移動する時間がほぼ皆無で済むからです。
一方で予め東に位置取っている場合、
"中央より西側の安置へ行くための移動で1秒かかる"とすると、
悦楽の手のモーションが見えてから、避けるべきかを判断するのは2秒以内に行わなければいけません。
これは明らかに理に適ったやり方ではないでしょう。
ギミック処理するための思考の猶予が本来3秒あるのを2秒に減らしているのですから。
このような誤った立ち位置にいるという、移動に対する意識が低いことは
ギミック処理を失敗するリスクを自ら増やしていると解釈することもできます。
ただギミック精度が低くなるだけでなく、
より短い時間でギミック処理をしないといけない
↓
ギミック判断にさらに集中する必要がある
↓
疲労が蓄積しやすい
というさらに精度を落としかねない負のループへと繋がる可能性があります。
強い言い方になりますが、個人的に"マジで理解しかねる"と思う悪例を一つ挙げましょう。
再生2層、影潜りです。
影潜りは、X字型に
・直線の影
・うねった影
が出現します。
うねった影側が最初の安置になるのですが、
直後のインプロージョンによりうねった影の片側が潰されるので
最終的な安置は斜め4択のうちの1つ、ということになります。
やるべきことは先に語った悦楽の手の例と同じです。
"まずボス真下に陣取って、安置確定後そちらに動けばいい"だけです。
にもかかわらず、
①X字の影の出現
②インプロージョン
の間に猶予があるかが理由なのか分かりませんが、わざわざ
①の後に斜め安置に一度駆け込む
↓
②の後に最終安置へ駆け込む
という光景を非常によく見ます。
やってることは先の4層の例の散会位置に予め行っているのと何ら変わりません。
自らギミック処理を失敗するリスクを増やしているだけです。
このような悪習は即座に止めましょう。そして
"ギミック処理のための時間の猶予があって今までちゃんと出来てたからいいでしょ"
という思考がもしあるのであれば、変えるべきです。
"本来割く必要のない思考リソースを削減できるかもしれない"と考えるべきなのです。
ギミック処理のためにより多くの時間が使えるのであれば、
より少ない思考リソースで対応できるようになります。
それは即ち疲労の軽減に繋がり、長期的に高いパフォーマンスを出すことに直結します。
火力やらなんやらが声高に語られているこの頃ですが、
それと同じぐらい"移動"に対する理解を深めるべきです。
"よりよいギミック処理のための動きはなにか"という僅かな意識の積み重ねが、
特に1日数セットこなすような短期間での絶攻略などで
大いに影響するということを、強く認識しておくべきなのです。
以上です。読んで頂いた方に何かしら得られるものがあれば幸いです。
