祖堅さんが癌を患っており去年の10月までずっと入院していたことを告白されたという話題から。
With the topic of Mr. Soken's confession that he had cancer and had been hospitalized until last October.
まずは寛解とのことで、まだまだ維持のための治療が続くことかと思いますが、どうか今後もご自愛なされますようにと願います。
He said that he is having a remission, and we hope that he will continue to take care of himself.
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寛解(かんかい)国立国語研究所「病院の言葉」委員会 「病院の言葉」を分かりやすくする提案
https://www2.ninjal.ac.jp/byoin/teian/ruikeibetu/teiango/teiango-ruikei-a/kankai.html・症状が落ち着いて安定した状態
・「症状が一時的に軽くなったり,消えたりした状態です。このまま治る可能性もあります。場合によっては再発するかもしれません」
・「病気の症状が一時的に軽くなったり,消えたりした状態です。このまま再発しないで,完全に治る可能性もあります。しかし,場合によっては再発する可能性もまだあるかもしれません。再発しないようによく様子を見ていただく必要があります。ですから,定期的に検査を受けたり,薬を飲んだりしてください」
・一時的に症状が軽くなったり消えたりしているのであって,治ったわけではない国立がん研究センター「がん情報サービス」
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/kankai.html一時的あるいは永続的に、がん(腫瘍)が縮小または消失している状態のことです。寛解に至っても、がん細胞が再びふえ始めたり、残っていたがん細胞が別の部位に転移したりする可能性があるため、寛解の状態が続くようにさらに治療を継続することもあります。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私がここで伝えたいのは、私も含めほとんどの人には
「祖堅さんは
ずっと元気だったようにみえた」
にもかかわらず、本当は大きな病気を患っていた、ということです。
ご本人が周りに気遣って巧妙に隠していたというのもあるかと思うのですが、
・病気自体から来る体調の悪さ、
・治療や検査に伴う薬の副作用、そして
・先への不安から来る精神的負荷、
どれも、大きな病気をした経験の少ない人は想像しにくいかも知れませんが、暗闇の海をずっと独りで泳いでいくような重苦しさがあります。
しかし私たちは、その人がそういう状態であることに、こうして
知らせてもらえなければほとんど気づけないのです。
ヘルプマーク(参考:
東京都福祉保健局のサイト)というものがあり、最近は都内では駅や電車の中でもよく見かけるようになりました。このマークをつけている人は、上に書いたような苦しさを持っている人なのです。「寛解」、病気ではあるけれども症状は抑えられていて、完全に健康というわけではないけれども日常生活は送ることが出来るし、ある程度気をつけていればやりたいことも出来る。
この【寛解】の状態にある人は結構多いということ、是非知ってもらいたいです。難病や大病というと、愛は地球を救う24時間テレビに出てくるような患者さんや、ALSのようにほとんど寝たきりで動けないようなものを想像する人が多いかも知れません。が、実際の難病患者や大きな病気の患者さんは、そこら中を普通に歩いています。
病気について関心のない人は、「難病なら病院にでも入院してろよ」「そんな調子悪いなら家で寝てろ」という人もいます。が、仮に100%の体調でなくとも、3割、4割の体調であったとしても、出来ることも、どうしてもやりたいこともありますし、
やりたいことが実現できるというのは一つの幸せの形だと思います。
元気そうにみえるあの人もあの人も、実はどこかギリギリのところで歯を食いしばっているのかも知れない。病気との闘いは、どうしても最終的には独りでの孤独な闘いです。それでもせめて、最後のその孤独な闘いに挑む前までぐらいは、何か助けになりたい。私はそう考えて、自分に余裕のあるときだけ、になるだろうけれども、どうかそういう人が少しでも望む生き方を出来るように、ほんの少しずつでも何か出来ることをしていけたらと思います。それが回り回って、多分自分がピンチの時には誰かが助けてくれると、そう信じています。
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※全くの余談ですが、昨今、コロナでマスク着用が半ば義務化しているなか、免疫抑制剤を服用しているなど感染に対して慎重なケアが必要な患者にとっては、以前より周囲がより感染に強い対策をしているので、かえって感染のリスクが抑えられているという現実があるように思います(以前は満員電車でくしゃみを吹きかけられるなどから感染する例が多かった)。これもまた、そういう立場にならないと感じないことかなという気がします。
※「俺ならそんな不調、耐えられるし」という人の多くは、元気いっぱい最強の自分が耐えることを想定していて、本当に体も心もぼろぼろで先の見えない状況になっている自分が耐えるということを想定していないようにみえます。