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Ijin Traveler

Gedeeltelijk Zombie

Gungnir [Elemental]

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週1時間の物語 144時間目「遠回りしてきた道」前編

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光の脚本家のご冥福をお祈りする。

部分的ゾンビです。

「光のお父さん」脚本家の吹原幸太氏が亡くなりました。ドラマ版、劇場版両方とも彼の脚本です。
リアル・エオルゼアともに面識のない方ですが、私的には「光のぴぃさん」の登場人物の一人として認識しております。

「光のお父さん」を何のためにドラマ化するのか。作者も周辺の人も、そして読者も改めてその意味と向き合うことになる重要なシーンで登場してくるのです。「売れるためにドラマ化するわけじゃない、伝えたいことがある」そんな思いに応えるように現れた一人の竜騎士はドラマ化とん挫の危機を救ったのでした。

敏腕のぴぃさんが進めていたとはいえ「光のお父さん」ドラマ化は微妙なバランスの上になりたっていたように思えます。ここで彼が現れなければ・・・あるいはドラマ化の話は進まなかったかもしれない。(そしてYahoo!ニュースに上がってこないので、私もFF14を永遠に知ることなかったかもしれない)

そんな彼のテレビ脚本デビュー作が・・・「オトメン」・・・あ、これ見たわ。ハライチ出るやつね。

とにかくそんな因果の連なりの果て、私をFF14に導いてくれた一人である吹原氏には心より感謝しています。冥福あらんことを。

それでは、インします。

注意:全編ネタバレのオンパレードです。しかも気まぐれに小説調の日記にしたので文字は多いし書き終わらないしで、前後編になってます。でも、まあ、たまにはそんなのもいいよね。

(プレイ日:2020年3月21日)

インするとそこはグリダニアのランディングエリアだった。あたりはやや薄暗く、目を覚ましたばかりの俺には一体今が夕方なのか、朝方なのか区別がつかない。そして俺が立っていたのは、軒先とでも言おうか、エンタープライズ号がつないである桟橋へ向かうスロープ、そこを下りた先にある少し屋根が張り出したあたりだった。そういえば前回ログアウトした時は雨が降っていて、これをしのぐためにここに来たのだった。それからエオルゼア時間で144日ほど。当然もう雨は降っていない。というか、それでなくともエオルゼアの天気は変わりやすい。

俺は今日の残り時間を確かめるとそのまままっすぐエンタープライズ号の方へ木造の通路を歩き出した。靄で曇った空気の向こうに黒骸布の大木が連なって見える。苦労してやっと見つけ出したその飛行艇の前には遊園地のアトラクションのもぎりよろしくアルフィノ君とシドが立っていた。

「この12神の森の気候がいい、戻ってきたかったんだ、ずっと。まあイシュガルドもエンドレスなおつかいは置いておいて、たいそうな冒険だったから悪くなかったが」口を開いたアルフィノ君のセリフからは芝居がかったところが感じられず、本当に心からそう思っているという感じだった。

「この飛行艇を見ていると心が落ち着く」シドはそうつぶやいた。それに呼応するようにアルフィノ君が言った。

「そうだろうね。何しろそれを設計したのも、製造したのもあなたなのだから」

今この瞬間までエンタープライズの横にいたはずのアルフィノ君はしかし忽然とスロープを上ったところに立っていて、そこからゆっくりとこっちに降りてきた。こういう不可思議なことがエオルゼアではたまに起こる。


「良い知らせだ!幻術皇がエンタープライズの受け入れを許諾してくれた。これで修理が終わるまでいくらでも滞在できる」
どうやら飛行艇の係留願を出して帰って来たという体らしい。
「・・・とはいえ、ガルーダの脅威が迫るいま、一刻も時を無駄にはできないのだが」

嬉しそうなアルフィノ君のたたずまいをぼんやりと眺めながら俺はどう表現していいのか分からないかすかな違和感を感じていた。これまでも漠然と感じていた違和感。さっきより薄暗くなった森にはいつしか雨が降り始めていた。

日本語版では「暁の血盟」と呼ばれている「七の夜明け」は俺に蕃神の脅威の迫っていることを説くのだが、その割に、何か心から急いでいないような、危機感が致命的に欠落したようなのんびりした空気を感じさせることが多い。
いや、「七の夜明け」だけでなくエオルゼア全体にそのような空気が漂っている。蕃神タイタンの脅威が迫っているなか珍味を探しに行かせるような、そんなのんきな空気だ。

そんなことを考えている間、アルフィノ君とシドは「どうもエンタープライズが本調子じゃない」とか「これでは嵐に守られたガルーダの本拠地にはたどり着けない」と言ったことを俺に聞こえる程度の声で話し合っていた。その内アルフィノ君が「なるほど!子供でも思いつくようなことだけど、確かにそうだ!それならいける」とやや芝居じみた調子で大げさに納得すると、俺の方に視線を投げかけた。
俺はその表情を見るなりこれから起こることが正確に予見できるような気がした。
これも超える力だろうか。


今度のおつかいは「汚染クリスタル」の調達と言うことだった。

「汚染クリスタル」もしくは「破損クリスタル」とでも訳したものか。Corrupted Cristalは日本語版で言う「偏属性クリスタル」の事だ。じゃあそのまま「偏属性クリスタル」と訳せばよさそうだが、ことはそう簡単にはいかない。なぜなら2つのクリスタルには小さくない違いがあるからだ。
どちらのクリスタルも火属性だとか風属性だとかそういった属性に働きかける力を持っている。ただ「汚染クリスタル」はそれだけではない。アルフィノ君が語ったところによると「生命体が持つものも含めすべてのエーテル力を歪める力を持っている」のだという。これによりガルーダの本拠地の周りに吹き荒れる風属性のエーテル力を歪め、この蕃神のコントロールできない属性に変えることで嵐を突破するとのことだ。どの程度本気で必要なのか俺にはわからない。
「まあ珍味を集めるよりゃ理にかなって聞こえるな」俺がおどけて言うとシドがどこか後ろめたそうに眼を反らした。

その「汚染クリスタル」の危険性についてはっきりと知らされたのはドライボーンに着いてからだった。ランベルタン教授という、難しい綴りの名前からすぐにエレゼンとわかる細身の男はこの貧民街の一室に居を構え、汚染クリスタルの研究をしているのだという。
「被曝しないように手は打ってきたのか?」この教授は俺にそんなことを聞いてきた。「有害物質の取り扱い資格はもっているのか?」とも。
部屋の壁にかかったランタンが妙に明るくて目がくらむ。
「わかった、壺を持ってくればそれを錬金術シーラントでコーティングして有害エネルギーが漏れ出ないような容器を作ってあげよう」

ここに大きな違いがある。日本語版では「周辺のエーテルの影響で偏属性クリスタルが変質してしまわないようにクリスタルを守る」容器なのだが、英語版では「汚染クリスタルの有害な力から身を守る」容器という、ある意味正反対の役割を担っている。アルフィノ君が言っていた「生命の持つエーテルの力をも歪めてしまう」と言うのがこれなのだろう。「汚染クリスタル」は「偏属性クリスタル」と違ってとても有害な物質であるようだ。

「ゾンビに一人で取りに行かせるわけだ」誰に言うでもなくつぶやいた。そして俺は円錐の帽子を載せたアーリマンの背中で足を組むと壺を探しにゴールデンバザーへ飛んだ。壺なんかドライボーンにも転がってそうだが、誰かれかまわず俺に遠回りさせたがるのでしょうがない。あたりは暗く静まり返った深夜。汗ばんだ頬を吹き抜けていく砂っぽい風が何だか心地よかった。


(つづく)
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