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【咎音ちゃん日記】第7記「雛チョコボ、果てしない大空へ」【FF14二次小説】

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■あらすじ
一人前とは、まだ言えないかも知れないけれど。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、ロードストーンの二ヶ所で多重投稿されております。
Blog【逆断の牢】
https://sakatatsunorou.blogspot.com/2019/11/ff14_24.html



「――フリーカンパニーを新設する?」

 グリダニアの木陰の東屋前のベンチに腰掛けていたツトミちゃんが、私が発した言葉を反芻しながら小首を傾げる。
 その隣で木製品の加工を行っていたケーズ君が、「おお! 遂に!!」と作業をほっぽりだして前のめりに突っ込んできた。
 壁に寄りかかって様子を見守っていたタツも、興味深そうに頷く。
 私はそんな三人の反応を代わる代わる確認した後、こっくりと首肯を返した。
「今、私はフリーカンパニーに所属してるけど、そこを脱退……と言うか、独立して、この四人でフリーカンパニーを新たに立ち上げてみようかなって、思って」
「それは……わたしは、とっても嬉しいけれど、トガネちゃんは良いの? 今のフリーカンパニーでの、ほら、立場とか、役職とか……」
 心配そうに顔を覗き込むツトミちゃんに、私は微苦笑を浮かべて小さく頭を“否”と振った。
「今のフリーカンパニーはとってもお世話になってるし、そこで築いた信頼とか、実績とか、そういうのも勿論大切だけど、何て言うか……何だろうね、次のステップを踏み出したい! みたいな感じなのかな」
 えへへ、と照れ笑いを返して、三人の様子を伺う。
「自分は大賛成です! すぐにでも今のフリーカンパニーを脱退してきたいところっす!!」
 ケーズ君が嬉しさ爆発! って様子で喜びを雄叫びに変えたのを見て、ツトミちゃんが「おいおいそれはどうなんだ……」と呆れ顔でツッコミを入れる。
「俺も概ね賛成だ」こっくりと頷いたのはタツだ。「皆を支えられるよう、善処する」
「みんな……」ツトミちゃんが感極まった様子で目元を潤ませる。「なんだよもー、そんな事言われたら何にも言えなくなっちゃうでしょー」
「元々アレだよ? ツトミちゃんと一緒に冒険できたらいいな~って思ってたからね! だったら、みんながエオルゼアに馴染んできた今しかないっ、って思ったからさ!」三人に、グッとサムズアップを見せる。「こういうの、早い方が良いかな、って言うか、善は急げ、って言うか」
「……トガネちゃんが、そこまで言うなら……」嬉しそうに微笑むツトミちゃん。「分かったよう。でも、今のフリーカンパニーの方々に悪くないかな……?」途端に心配そうに俯いてしまった。
「今のフリーカンパニー……ベータ&アルファの皆さんはアレだよ、良い人ばっかりだし、ちゃんと分かってくれる。そんな確信が有るよ私!」
 むんっと力こぶを作って自信満々に告げると、三人は柔らかな眼差しで応じてくれた。
 ツトミちゃんもそれで納得したのか、「うん、だったら、わたしも断る理由は無いかな。ありがとね、トガネちゃん」と、こっくり頷いてくれた。
 私も応じるように頷いて、……これから忙しくなるな、と言う確信も芽生えたのだった。

◇◆◇◆◇

「――そっか。うん、了解した。トガちゃんが選んだ道なんだ、マスターとして、最大限に応援するぜ!」
 フリーカンパニーベータ&アルファのハウスにて、マスターのリューキさんに事の次第を伝えると、彼はあっさりと了承の意の首肯を返してくれた。
「有り難う御座います、リューキさん!」ぺこりと頭を下げる。「今までお世話になったのに、恩返しらしい恩返しも出来ないまま去るのは、その……」
「ここは初心者支援のフリーカンパニーでもあるからな。トガちゃんのように、一人前になるまで冒険者を見守る、と言う側面も有る。逞しくなって、自分の翼で飛び立つ雛チョコボを送り出すのも、役目の一つさ」
 リューキさんは私の頭をわっしゃわしゃと掻き回すと、普段は黒豚の被り物していて隠れていた素顔に満面の笑みを点して、肩をポンポン、と叩いてくれた。
「行ってこい、トガちゃん! ここで得た知識と経験を活かして、頑張れ!」
「リューキさん……!」
 込み上げる感情の波を抑えて、私は一つ大きく息を吸い込むと、声が震えないように、まっすぐリューキさんを見据えた。
「トガネ、行ってきます!!」
 ビシッと敬礼を返して、深々と頭を下げて、それから、有りっ丈の感謝を込めた笑顔を浮かべて――――
 新しい一歩を、踏み出した。

◇◆◇◆◇

「お待たせー!」
 走って向かった先は、リムサ・ロミンサの上甲板層に在る、黒渦団:軍令部。大勢の黒渦団の団員や、彼らに用向きの有る冒険者が訪れ、受付前は普段通り黒山の人だかりにになっていた。
 その人混みの中に見知った顔――ツトミちゃん、ケーズ君、タツの姿を視認した私は、パタパタと急ぎ足で駆け込んだ。
「トガネちゃん、はいこれ」ツトミちゃんが書類と羽根ペンを手渡してきた。「さっき受付の人に聞いたら、フリーカンパニーを新設するには、四人分のサインがいるんだって」
「ふんふん?」
 書面を確認すると、“カンパニー結成申請書”とタイトルが売ってある。黒渦団直下のフリーカンパニーとして新設する事による制約や、規則と言った文面がずらりと並び、一番下には確かに空白の署名欄が設けられていた。
 ザックリと文面を読み終えた私は、受付の前まで行ってカウンターを借りると、サラサラっとサインを綴り、申請書をツトミちゃんに。
「これでいいかな?」
「うん、ばっちり!」ニコッと微笑むと、ツトミちゃんは目の前にいた受付のお姉さんに申請書を差し出した。「お願いしまーす!」
「フリーカンパニーの結成申請ですね? 暫しお待ちを……」
 黒渦団の制服を身に纏ったルガディンのお姉さんは事務的な処理をテキパキと熟していく。
「そう言えば、フリーカンパニーの名前ってもう決まってるんだっけ?」
 ルガディンのお姉さんが手際よく事務仕事をしている間に、私はコソコソとツトミちゃんに耳打ちした。
「うん、フリーカンパニーの名前は、“スタイルカウンシル”。在り方や、生き方を考える、評議会……みたいな意味、だよっ!」
「在り方を考える評議会、かぁ……」うんうんと頷いちゃう。「良いね、私達がまさにそうだものね!」
「うんうん」こくこくと首肯を返してくれるツトミちゃん。「ケーズ君と、タツ君にも了承を得てたので、トガネちゃんの了承を得た今! 決定しました~」
 嬉しそうに拍手し始めるツトミちゃんに、釣られてケーズ君とタツが「うおおーっ!」「ああ、決まったな」とテンションの落差が激しい拍手をそれぞれ始めた。
「申請が受理されましたので、本日から活動されても問題有りません」黒渦団のお姉さんが朗らかに声を掛けてきた。「結成おめでとうございます。皆さんに、光の加護が有りますように」
 黒渦団の受付を離れて、感慨深い余韻に浸りそうになってしまったけれど、ケーズ君が元気よく「じゃあ自分、早速フリーカンパニーのランクを上げるために、頑張ってきます!!」と黒渦団式の敬礼もそこそこに、全力で駆け抜けて行ってしまった。
「俺も微力ながら皆に貢献できるよう、ギルドリーヴを熟してこよう。用が有ればいつでも呼んでくれ」
 軽く手を挙げると、タツもテレポでどこかに飛んで行ってしまった。
 残された私とツトミちゃんは、互いに目を合わせ、くすくすと小さな笑みを零してしまう。
「フリーカンパニーを結成しても、何も変わらないね」
「うんうん。でも、こういうのって、とっても良いね」
「うん、とっても良い!」

 ……そうして、新たな一歩を踏み出して。
 変わらない皆と肩を並べて、歩いていく。
 いつまでも終わらない、冒険を始めよう――――

 ……その後、あまりにも頑張り過ぎた皆のお陰で、結成して四日で、まさかのお家が買えるだけの権利とギルを手に入れてしまい、あっと言う間に新しい拠点が出来上がってしまった話は、またいつか書き記そうと思います…………

◇◆◇◆◇>>><<<◇◆◇◆◇

【後書】
 二ヶ月振りのFF14小説ですが、驚きの最終回感!ww
 のように感じられるかも知れませぬが、まだまだトガネちゃんの冒険は続いて参りますので!w 今後ともご贔屓のほど、宜しくお願い申し上げまする!w
 話を本編に戻しまして……何度かご報告などさせて頂いておりましたが、わたくしトガネは先日、FCを脱退して、新たなFCを立ち上げたところでして。であれば、この一連の顛末を何かしら書き残しておきたいなーと思ったのがそもそもの始まり。
 β&αでは本当にとってもお世話になりましたし、メンバーの皆さんには感謝してもしきれないご恩を感じておりましたから、こういう形で、その、ちょこっとだけでも、恩を返せたらなぁーと…!
 そして新たに歩み始めた事実も大切にして、目一杯楽しみながら、新天地でもふんわり頑張って参りたいと言う気持ちを込めて! 一つの区切りとして、こんな形で残しておこうと思い、書き記した次第です!
 まだまだ綴りたいエピソードは有りますし、今後もどんどん増えていく気しかしませんので、少しでも多くの思い出を書き記していけたら、良いなぁ…!
 なーんて、失踪でもしそうな書き味になってきたのでこの辺で!w 次回もお楽しみに~♪
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