~登場人物紹介~
りつ子 ... Riddelly Moonrakers (リドリー ムーンレイカーズ) 本編主人公の"光の戦士" 一人称は"ワタシ" 光るモノが好き
なかちゃん ... リアル世界にいる、いわゆる"中の人" 一人称は"私"
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とある日の日常
〈その①〉
その日、ログイン早々にりつ子が物凄い剣幕で迫ってきた。
「なかちゃん、お願いがあるの!」
『・・・嫌な予感しかしないんだけど、一応聞くわ。』
最近の私は、昼間少し時間が取れている事もあり、メインストーリーをコツコツと進めている。
それも、これまでになかった位に順調に。
だから、りつ子も流石に飽きて来たのかもしれない。
どうせまたどこか連れていけとか、サイドストーリーへ脱線させろとか、そんなお願いだろうと高を括って居たのだが・・・
「何かね、街の色んなとこでシャボン玉遊びしてる人が居てね! それで・・・」
『アンタも欲しいと。』
「うん♪ あれ、どこに行ったら売ってるの?」
『・・・こっちの世界で課金しないと買えないのよ。』
「な~んだ。だから街のおじさんに聞いても教えてくれなかったのかぁ。」
まあ、脱線させろというのには違いなかったが、まさか課金しろ等とたかられるとは思って居なかった。
『アンタ知ってるわよね? 私が今、物凄~く金欠だって事。“無職”なのよ、む・しょ・く!』
「もちろん! だから毎日こうして、真昼間からワタシと遊んでくれるんでしょ?」
アンタねぇ・・・もう少しましな言い方ってもんがあるでしょうが!
ここ最近“X”で流れて来るそのエモートは、私も気にはなっていた。
“ララほっぺ”の破壊力は、それはもう凄まじく、一瞬で心を奪われた。
気がつくと、無意識に指で画面を“つつく”してしまいそうになった程に。
結局、強く反対できるはずも無く、私自身の誘惑にも勝てず、私の“おやつ代”はりつ子の“シャボン玉”に姿を変えてしまったのである。
『ねぇりつ子、新パッチまでには”漆黒“終えて“暁月”入りしたいんだから、遊んでいいの少しだけだからね!』
「わ~い、ありがと~♪! 昨日教えてもらった場所で遊んでこよっと♪」
良く知らずに進めたクエストで、妖精と空飛ぶ豚に連れて来られたそこは、綺麗な青空が浮かぶ丘。
楽しそうに遊ぶりつ子を見て、おやつ抜きの悲しみはすっかり消えてしまった。
「わ~い♪ あの大ききいのと、同じの作るぞ~!」
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『・・・ねぇ、りつ子。あれはシャボン玉じゃ無いのよ。』
今日も、平常運転ね。
〈その②〉
そういえば、
『アンタ、昨日の“あれ”、結局何だったの?』
「良く覚えて無いけど、気持ち良かったよ~ 頭モミモミ!」
『頭皮マッサージ・・・私も頼もうかしら。』
〈その③〉
それは、メインストーリーのワンシーン。
「休憩にちょうど良い場所がある・・・」
そう言って、ウリエンジェとサンクレッドに連れて来られたのは、オープンテラスの喫茶スペース?
その時りつ子は、一人こう思った。
「あの~、お二人さん? 夜だし、雨・・・冷たいな~」
と・・・
※ 暗くて判りにくいけど、この時の天気は結構な雨でした。
クエスト中のカットシーンって、その時によって固定のムービーと、外の背景がそのまま反映される場合とあって・・・時としてこう相応しくない場合もあるんですね(笑)
漆黒終了まで、あと少し。