その他部署の友人とは、送別会か何かの飲み会で知り合ったと思う。
彼女は観劇が本当に好きで、とある劇団に熱烈なファンレターをたくさん送ったり、何度も公演に足を運ぶことで、劇団の人から信頼され、楽屋や打ち上げに、ファンの代表のような形で呼ばれたりするような人だった。その劇団は有料チャンネルで放送されるような、それなりに知名度のある劇団だった。
私は彼女に誘われて、一緒に観劇するようになり、彼女の友人として劇団の人に顔と名前を覚えられるようになった。それでもあまりでしゃばらないようにと気をつけていた。あくまで彼女の友人として劇団の人と関わっていることを忘れないようにしていた。今でもそうだけれど。
ある日、彼女が上司と仕事上のことでもめて、会社を辞めたんだか、辞めてはいないんだかという話を聞いた。あまり詳しく書けないのだけれど、私の会社は、辞めてるんだか辞めてないんだかよく分からないような状態でも、仕事ができたりすることや、私からあれこれ詮索されるのを彼女は嫌がるだろうと思い、この件で連絡することはしなかった。また彼女が私だけでなく会社の人と連絡をあまりとっていないとの噂も聞いていた。
そして先日。
SNSを眺めていたら、劇団の公演が近々行われることを知った。
チケットはいつも彼女が手配してくれていた。
今回はどうなるのだろう。
ここで私は突きつけられることになる。
彼女がいなくても、劇団員との交流がなくても、私はこの劇団が好きなのだろうかと。
劇団が舞台で表現するものを理解し、愛しているのだろうかと。
よくよく考えた末、自分でチケットを予約し観劇することにした。
彼女からの連絡はなかった。
これを書いている数時間前。
私は独りで観劇した。心の底から感動した。
純粋にこの劇団が好きだと思った。
帰る際、劇場のロビーで彼女らしき後ろ姿を見かけた。
お互いに声をかけなかった。
ロビーの雑踏がだんだん小さくなっていった。
というわけで、
当FCではメンバーさんを常時募集しております。
このタイミングでまさかの募集!
よろしく哀愁。
なつき